富士フイルムホールディングス

中期経営計画「VISION2023」を策定

3年間で総額1.2兆円を投資し、ヘルスケア・高機能材料を中心に成長を加速

売上高・営業利益ともにヘルスケアを最大セグメントに拡大

ニュースリリース

2021年4月15日

富士フイルムホールディングス株式会社(社長:助野 健児)は、2023年度を最終年度とする2021年~2023年度の中期経営計画「VISION2023」を策定しました。「VISION2023」では、3年間で総額1.2兆円を投資し、ヘルスケア・高機能材料を中心に事業成長を加速。なかでも、ヘルスケアを売上高・営業利益ともに最大セグメントに拡大させ、持続的成長を可能とするさらに強靭な事業基盤の構築を実現していきます。

当社は、2030年度をターゲットとして長期的に目指す姿を示したCSR計画「Sustainable Value Plan 2030」(「SVP2030」)を2017年度に策定しました。「SVP2030」では、「事業を通じた社会課題の解決」と「事業プロセスにおける環境・社会への配慮」の両面から、4つの重点分野「環境」「健康」「生活」「働き方」と、事業活動の基盤となる「サプライチェーン」「ガバナンス」における目標を設定し、サステナブル社会の実現に貢献することを目指しています。今回策定した「VISION2023」は、「SVP2030」の目標を実現するための具体的なアクションプランです。

「VISION2023」の骨子は、「ヘルスケア・高機能材料の成長加速」と「持続的な成長を可能とするさらに強靭な事業基盤の構築」です。これらの骨子を実現するために、当社は、①事業ポートフォリオマネジメントの強化、②キャッシュフローマネジメントの強化、③さらなる成長に向けた新規市場参入、④M&Aにより強化した事業の統合効果創出の4つの重点施策を推進していきます。

当社は「VISION2023」において、展開する各事業を「新規/将来性」「重点」「収益基盤」のステージに位置付けます。2021年度から2023年度の3年間で、研究開発と設備投資等を合わせて、総額1.2兆円の成長投資を実施。「新規/将来性」「重点」事業に集中投資していきます。また、資本効率を意識した事業運営を徹底し、キャッシュ創出力を強化することで、3年間累計で1兆円の営業キャッシュフローを創出します。さらに、当社技術の強みを生かせる領域への投資、M&Aによるシナジー効果の創出を引き続き実施していきます。

これらの取り組みにより、最終年度である2023年度の売上高計画を2兆7,000億円とします。また、営業利益は2,600億円、当社株主帰属当期純利益は2,000億円と、いずれの利益も過去最高を達成する計画です。そして当社は、「VISION2023」期間中に、ヘルスケアを売上高・営業利益ともに、最大セグメントに成長させます。

先進・独自の技術をもって、最高品質の商品やサービスを提供することにより、「事業を通じた社会課題の解決」に取り組み、サステナブル社会の実現に貢献することを目指す。

「SVP2030」で掲げる2030年度目標:
  • 売上高3兆5,000億円以上
  •  自社の製品ライフサイクル全体でのCO2排出量45%削減(2013年度比)

1. 業績目標

[表]業績目標

CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)=棚卸資産回転日数 + 営業債権回転日数 - 営業債務回転日数、目標値はM&Aの影響を除く。

2. 計画内容の骨子・重点施策

積極的な成長投資を継続し、「新規/将来性」「重点」事業への経営資源の集中投下を行い、キャッシュ創出と投資の循環を加速・強化することで、ヘルスケア・高機能材料の成長加速と、持続的な成長を可能とするさらに強靭な事業基盤の構築を進めます。これらを実現するため、4つの重点施策を推進します。

(1)事業ポートフォリオマネジメントの強化

事業セグメントを「ヘルスケア」「マテリアルズ」「ビジネスイノベーション」「イメージング」の4つに再編。セグメント内の各事業を「新規/将来性」「重点」「収益基盤」のステージに位置付け、各事業のフェーズに応じた戦略施策を実施します。

  • 「新規/将来性」事業:次世代の成長事業と位置付け、「重点」「収益基盤」事業で得た経営資源をこの事業に投資
  • 「重点」事業:経営資源を集中投入し、売上成長とさらなる利益率の向上を図る
  • 「収益基盤」事業:収益性・効率性を重視しキャッシュ創出の最大化を図る
    今後、戦略適合性、成長性、採算性から判断して「ノンコア」と位置付ける事業については、収益基盤への改善を図る、または売却・撤退などを検討していきます。

2021~2023年度の3年間で、研究開発と設備投資等を合わせて、総額1.2兆円の成長投資を実施。「新規/将来性」「重点」事業に集中投資していきます。

(各セグメントの主な施策は、以下3.に記載)

[画像]セグメント内の各事業を「新規/将来性」「重点」「収益基盤」のステージに位置付け、各事業のフェーズに応じた戦略施策を示した図
(2)キャッシュフローマネジメントの強化
  • 売上高・営業利益の成長に加え、ROICとCCCを指標として、キャッシュ創出力を強化。特に、投下資本の有効活用の観点から経営の効率性を示すROICをより重視し、2023年度のROICの目標を6.1%に定めます。
  • 資産の効率的な活用と事業ポートフォリオマネジメントにより、3年間累計で1兆円の営業キャッシュフローを創出し、創出したキャッシュを成長投資に優先的に配分していきます。
(3)さらなる成長に向けた新規市場参入

AI技術やバイオ技術、光制御材料技術※1など、当社技術の強みを生かせる領域への投資を継続することで、新規市場への参入を図ります。 

  • ※1 光を制御することでさまざまな光学特性を実現する技術。視野角拡大効果が得られる偏光板保護フィルム(ディスプレイ材料)や、高解像力・低ノイズ・忠実な色再現を実現するイメージセンサー用カラーレジスト(電子材料)などに活用されている。
(4)M&Aにより強化した事業の統合効果の創出

日立製作所の画像診断関連事業を継承する富士フイルムヘルスケアとのシナジーや、富士フイルムビジネスイノベーションによる「グローバル展開の加速」「ソリューション・サービスの強化」により、統合効果を創出します。

3. 各セグメントの主な施策

(1)ヘルスケア
構成事業
メディカルシステム、バイオCDMO、ライフサイエンス(再生医療、培地・試薬等の創薬支援を含む)、医薬品、コンシューマーヘルスケア(化粧品・サプリメント)
2023年度目標
売上高8,600億円、営業利益1,030億円、営業利益率12.0%
  • メディカルシステム事業:買収により新たに加わったCT・MRIなどの幅広い製品ラインアップにより、医療現場のさまざまなニーズに対しワンストップソリューションを提供することが可能。また、これらの製品群と、当社の強みである画像処理技術やAI技術などを組み合わせることで、医療ITを核とした、より付加価値の高いソリューションを実現します。
  • バイオCDMO事業:業界トップレベルの生産技術と、抗体医薬品向けを中心とした大規模な設備投資で、旺盛なバイオ医薬品需要に対応します。また、最先端の研究開発を行う製薬会社などが集積する米国ボストンエリアに、遺伝子治療薬のプロセス開発および原薬製造の拠点を新設。開発初期段階から受託サービスを迅速に提供することで、顧客の新薬開発を支援します。
  • ライフサイエンス事業:自社の強みを生かせる細胞・培地・試薬にフォーカスし、創薬支援分野でトータルソリューションビジネスを展開。さらに、細胞治療薬などの再生医療製品の開発・製造受託ビジネスを推進していきます。また、バイオ医薬品製造向けの販売が好調な培地ビジネスでは、米国・欧州・日本の3極生産体制で、供給力や顧客サポート力を強化します。
(2)マテリアルズ
構成事業
電子材料、ディスプレイ材料、ファインケミカル、産業機材、記録メディア、グラフィックコミュニケーション、インクジェット
2023年度目標
売上高7,200億円、営業利益950億円、営業利益率13.2%
  • 電子材料事業:5G・AI・自動運転などの発展に欠かせない最先端半導体向けに、微細化・高集積化に対応した幅広い製品を提供することで、さらなるシェア拡大と収益力強化を加速。センサー領域では、高いシェアを誇るイメージセンサー向けに加えて、測距向け等各種電磁波コントロール材料「WCM(Wave Control Mosaic)」で新たな市場開拓を狙います。
  • ディスプレイ材料事業:次世代ディスプレイにも対応できる幅広い技術力を生かし、市場環境の変化に応じて新製品を生み出していきます。具体的には、スマートフォン用途として高いシェアを誇る有機EL向け材料のテレビ用途への展開や、車載ディスプレイ、VR/AR向けの製品導入など、新たな領域への展開を進めます。 
  • グラフィックコミュニケーション事業:本年7月1日に、富士フイルムのグラフィックシステム事業と、富士フイルムビジネスイノベーションのプロダクションサービス事業を統合し、「グラフィックコミュニケーション事業部」を設立します。商業印刷・パッケージ印刷を中心に広範な顧客基盤を有するグラフィックシステム事業と、デジタル印刷技術に強みを持つプロダクションサービス事業の販売力、技術・製品力を組み合わせ、アナログからデジタルまでのワンストップソリューションを展開し、業界のデジタル化を牽引していきます。 
(3)ビジネスイノベーション
構成事業
オフィスソリューション、ビジネスソリューション
2023年度目標
売上高8,200億円、営業利益820億円、営業利益率10.0%
  • オフィスソリューション事業:FUJIFILMブランドの新製品投入による市場活性化とシェア拡大を目指します。グローバル展開に当たっては、代理店の開拓を通して、欧州や新興国など新たな市場への進出を狙います。また、FUJIFILMブランド製品に加え、積極的なOEM供給により、グローバルでの販売機会の拡大も図ります。
  • ビジネスソリューション事業:顧客の課題に応じたソリューション・サービスを提供し、事業成長を加速します。具体的には、高いセキュリティを有する複合機をゲートウェイとして、文書管理・クラウドサービスとの連携を強化。また、ITリソースに課題を抱えるSMB※2顧客に対し、トータルITサービスの提供を拡大していきます。さらには、大量に保管されている紙文書の高速かつ自動的なイメージデータ化や、AIによる文書の自動分類などを通じて、顧客の業務プロセス変革に貢献していきます。
  • ※2 Small and Medium Businessの略
(4)イメージング
構成事業
イメージングソリューション
2023年度目標
売上高3,000億円、営業利益250億円、営業利益率8.3%
  • 撮影デバイスからプリンティングまで幅広い技術アセットをベースに、新たな製品・サービスの創出を加速させます。 
  • インスタントカメラ「チェキ」では、多様な新製品・アプリの投入や異業種との協業を通じてさまざまな楽しみ方を提案し、ユーザー層拡大を図ります。また、スマートフォンからの旺盛なプリント需要に対し、インクジェットやゼログラフィーなど環境に配慮したドライシステムを拡充していきます。
  • 独自の色再現技術による卓越した画質と小型軽量を実現するハイエンドミラーレスデジタルカメラ「GFX/Xシリーズ」を展開。また、監視・計測分野やデジタルサイネージ分野での「画像・映像ソリューションビジネス」を推進します。

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富士フイルムホールディングス株式会社
コーポレートコミュニケーション部 広報グループ

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