内部統制システムに関する基本的な考え方及びその整備状況
業務の適正を確保するための体制
当社は、以下のグループパーパスを定め、これを業務執行の基本的な拠りどころとしております。
グループパーパス
地球上の笑顔の回数を増やしていく。
わたしたちは、多様な「人・知恵・技術」の融合と独創的な発想のもと、
様々なステークホルダーと共にイノベーションを生み出し、世界をひとつずつ変えていきます。
当社は、このグループパーパスのもと、当社及びその子会社から成る企業集団(以下「当社グループ」という)の経営を統括する持株会社として、当社グループ各社の業務執行が適正かつ健全になされることを目的として、実効性のある内部統制システムを構築するとともに、監査役による監査が適切に実施される体制を整備するため、会社法第362条に基づき、以下のとおり、当社の基本方針を定めました。
- 当社グループの取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
(1)当社は、当社グループがその企業活動を行うにあたっての基本的なポリシーとして制定された「富士フイルムグループ企業行動憲章」及び「富士フイルムグループ行動規範」に基づき、法令及び社会倫理に則った活動、行動の徹底を図る。
(2)当社は、当社グループの企業活動全般における法令遵守、倫理性の向上・維持を目的として、社長を委員長とするESG委員会を設置し、さらに、コンプライアンスを推進する専任部門を設置し、当該部門を中心に、当社グループ全体におけるコンプライアンス意識の浸透と向上を図る。
(3)富士フイルムグループ行動規範やコンプライアンスに関連した国内外の当社グループの役員・従業員からの相談・連絡・通報を受ける窓口(以下「内部通報窓口」という)を当社グループ内外に設置し、当社及びその子会社は、違反行為の早期発見に努め、適切に対処する。当社及びその子会社は、内部通報窓口を通じて相談などを行った者に対し、当該相談などを行ったことを理由として不利な取扱いを行わない。
(4)当社は、当社グループにおいて社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的・非合法的勢力や団体との関係を排除し、これらの勢力や団体を利する行為をしない。
(5)当社及びその子会社は、稟議規程、文書管理規程、インサイダー取引防止に関する規程、個人情報等の管理規程、独禁法遵守規程、腐敗行為の防止に関する規程など必要な内部ルールを定め、これらのルールに従った業務遂行を求めるとともに、事業活動に関わる法規制の遵守を徹底すべく各種ガイドライン・マニュアルなどを制定し、定期的な教育を通じてコンプライアンスの徹底を図る。
(6)当社は、当社グループにおける財務報告の信頼性確保のための内部統制システム、及びその運用の有効性を評価する体制の整備を推進する。 - 当社の取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
(1)当社は、文書(電子媒体を含む)の保存及び管理に関して文書管理規程を制定する。当社は、株主総会議事録、取締役会議事録、稟議書その他取締役の職務執行に係る情報を文書化し、同規程の定めるところに従って適切に保存及び管理する。
(2)当社の取締役及び監査役は、その職務執行に必要な場合、常時当該文書を閲覧することができる。 - 当社グループの損失の危険の管理に関する規程その他の体制
(1)当社は、当社グループにおいて適切なリスク管理体制を構築するとともに、重要なリスク案件については、社長を委員長とするESG委員会において、グループ全体の観点から、基本方針の策定と適切な対応策の検討・推進を行う。
(2)当社は、情報管理、安全衛生、環境、防災などに関わる各種の事業関連リスクについて、当社及びその子会社における規程、ガイドライン、マニュアルの制定及びリスク管理責任者の設置などにより、当社グループのリスク管理体制を構築する。また、当社及びその子会社は、個別の業務遂行において発生するリスク案件について適切に判断・対処するとともに、重要なリスク関連情報は、定められた手続きに従い、当社のESG委員会事務局に報告する。
(3)当社は、当社グループとして取り組むべき重点リスク課題を定期的に整理し、各課題について当社及びその子会社における対応策の検討・実施状況を管理する。 - 当社グループの取締役及び使用人の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
(1)当社は、定期的に取締役会を開催し、取締役会規程及びその関連規則に則り、グループ経営の基本的な方針と戦略の決定、重要な業務執行に係る事項の決定、並びに取締役の業務執行の監督を行う。取締役の任期は、その使命と責任を明確化し、経営環境の変化に迅速に対応すべく、これを1年とする。
(2)当社は、業務執行の迅速化を図るため執行役員制度を採用し、各執行役員の役割と責任範囲を執行役員業務管掌要綱で定める。各執行役員は取締役会が決定する基本方針に従い業務執行の任にあたる。執行役員の任期は、その使命と責任を明確化し、経営環境の変化に迅速に対応すべく、これを1年とする。
(3)当社は、取締役会が決定した経営の基本方針、計画、戦略に従って執行役員が業務を執行するにあたり、重要案件やグループ全体に関する施策等を審議する機関として経営会議を設置し、これを機動的に開催し効率的な業務執行、意思決定を図る。
(4)当社は、取締役会において当社グループの中期経営計画及び年度経営計画を策定する。当社及びその子会社は、当該計画に沿って業務を遂行し、定期的に遂行状況をレビューする。
(5)当社及びその子会社は、各業務部門の機能分担と責任を職務規程によって明確化し、業務執行の過程における個別の意思決定を稟議規程に従い適正かつ効率的に行う。 - その他当社グループにおける業務の適正を確保するための体制
(1)当社は、持株会社として、当社の子会社による業務遂行を株主の立場から監督するとともに、グループに共通する業務を統一的、効率的かつ適切に遂行し、当社グループの企業価値の最大化を図る。
(2)当社は、当社の監査役及び監査役スタッフが当社及びその子会社の監査を定期的に実施することができるよう体制を整備し、業務の適正の確保を図る。
(3)当社は、当社の子会社の重要な業務執行について、取締役会規程その他の関連規則において、当社の取締役会の承認又は経営会議の審議が必要となる事項及びその手続きを定め、当社の子会社にその遵守を求め、当社の子会社における業務遂行を管理する。
(4)当社は、当社の主要な子会社の取締役会の決議事項及び報告事項について把握し、必要に応じて報告を求めることにより、当社グループにおける重要な業務遂行の状況を管理・監督する。
(5)当社は、当社グループの業務のIT化を積極的に推進し、業務遂行の正確性と効率性を常に向上させるよう努める。
(6)当社は、当社グループの内部監査機能を統合して機能強化を図り、グローバルな監査体制を構築する。当社は、当社の内部監査部門が当社及びその子会社の監査を定期的に実施することができるような体制を整備し、当社グループの業務の適正性の確保を図る。 - 当社の監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項
(1)当社は、監査役スタッフ部門を設置し、当該部門所属の使用人が監査役スタッフの業務に従事することにより、当社の監査役の監査機能の充実を図る。
(2)上記の使用人は、当社の監査役の指揮命令に従い、その職務を補助する。当該補助者の人事については、当社の監査役の同意を得る。 - 当社グループの取締役及び使用人が当社の監査役に報告をするための体制
(1)当社及びその子会社において、法令・定款に違反する重大な事実、不正行為又は会社に著しい損害を与えるおそれのある事実が発生したときには、当該事実を発見した当社及びその子会社の取締役及び使用人、又はこれらの者から報告を受けた当社のコンプライアンス推進専任部門もしくは当社の子会社の監査役は、当該事実に関する事項について、速やかに当社の監査役に報告する。
(2)当社の業務部門又は当社の子会社は、業務遂行に関する月次報告書を当社の監査役に提供するものとし、また当社及びその子会社の取締役及び使用人は、当社の監査役が監査に必要な範囲で業務遂行に関する事項の報告を求めたときには、これに協力する。
(3)当社及びその子会社は、上記の報告をした者に対し、当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを行わない。 - その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
(1)当社の監査役は、定期的に開催される監査役会において、監査実施内容の共有化等を図る。また、原則として常勤監査役が重要会議である経営会議等に常時出席するほか、代表取締役と定期的に意見交換を行う。
(2)当社の監査役は、当社グループの監査の充実・強化のため、定期的に当社の主要な子会社の監査役と監査実施内容の共有化などを図り、意見交換を行う。
(3)当社の監査役は、内部監査部門、監査役及び会計監査人の相互連携が重要であるとの認識の下、三者間での情報の共有化を通じた効率的な監査の実施を図る。
(4)当社の関係部門及び当社の子会社は、当社グループの監査の実効性を確保するため、当社の子会社の監査役の員数及び常勤監査役の設置の有無等、当社の子会社の監査に必要な体制の構築に関して、当社の監査役と協議する。また、当社の子会社が監査役を選任する場合、その候補者を選ぶにあたっては、事前に当社の監査役と協議する。
(5)当社は、当社の監査役の職務執行により生ずる費用について、監査計画に基づき必要かつ十分な予算を確保し、関連する社内規程に従って負担する。