新型コロナウイルスの感染状況が刻々と変化し、変異株も次々に現れる中、富士フイルム和光純薬ではニーズに応えるPCR検査試薬(研究用試薬)等を短期間で開発、提供しています。
従来のPCR検査では、検体として主に鼻咽頭ぬぐい液が使用されていましたが、鼻腔深くにスワブを挿入することによる身体的負担と、くしゃみや咳による採取者の感染リスクが懸念されていました。
そこで、唾液に添加するだけで、短時間でウイルス由来のRNAを検出可能にする前処理試薬「SARS-CoV-2溶解バッファー」を開発。
さらに、遺伝子検出キット「SARSCoV-2 RT-qPCR Detection Kit Ver.2」(研究用試薬)によって、検体中のウイルス遺伝子が分解されることによる偽陰性*1を防止、簡便で迅速、精度の高いPCR検査を実現しました。
新型コロナウイルスは世界各地で変異を繰り返し、病原性や感染力等の性質を変化させています。
変異株に対しては、感染経路の特定や封じ込めのため、PCR検査で感染実態を把握することが重要です。
富士フイルム和光純薬は、アルファ株の遺伝子を検出できる「N501Y 変異検出キット」、ベータ株、ガンマ株向けの「E484K 変異検出キット」、デルタ株向けの2種類「L452R 変異検出キット」「E484Q 変異検出キット」(いずれも研究用試薬)を次々と開発・提供し、変異ウイルスとの闘いを支え続けています。
遺伝子の変異により、血中の糖タンパク質α1-アンチトリプシン(AAT)が欠乏している人は、COVID-19に罹患すると重症化しやすい可能性があります*2。
PCR検査でAATの遺伝子変異の有無を確認することは、COVID-19の疫学調査に役立ちますが、検査結果が出るまでに時間がかかるなどの問題がありました。
そこで、独自の設計手法を用いて、簡易かつ高感度に遺伝子変異を検出できる遺伝子検出キット薬「α1-アンチトリプシン遺伝子変異(PiS、PiZ)検出キット」(研究用試薬)を提供。
COVID-19の実態解明に貢献しています。
※ 本ページは、サステナビリティレポート2021と同内容を掲載しています。