「富士ドライケムNX500」は、当社が写真分野で培った技術を生かして開発した体外診断(IVD)で使用される臨床化学分析装置で、検体を点着するだけで迅速・簡便に測定を行える点が特長です。血球分析装置などとの併用で患者の発熱が細菌やウイルスによるものかどうかを分析できるため、中国では感染拡大初期にPCR検査の必要性を迅速に判断するために活用されました。FUJIFILM(China)Investment Co., Ltd.は、2020年1月下旬にある特定医療機関に機器を緊急導入したのを皮切りに、通常2年間分に相当する台数を2カ月間で中国全土の医療機関に設置。このうちおよそ半数が発熱外来で使用され、感染拡大初期に医療機関でのPCR検査能力が増強できるまで、政府主導の早期緊急スクリーニング検査対応の体制づくりに貢献しました。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、イギリスでは胸部X線撮影の件数が急増し、画像診断を行う放射線科医も多忙を極めています。そこでFUJIFILM UK Ltd.は、画像診断ソリューション「SYNAPSE」をベースに、医師が自宅でも病院と同じ環境で読影やレポート業務ができる「Operation Workstation」を構築しました。導入病院からは、医師の負担軽減と柔軟で効率的な働き方も可能になると評価されています。
PCR検査の精度は肺から採取した検体*2を用いると高まるため、欧州や中国での感染拡大初期には、検体採取の目的で内視鏡検査が活用されました。医療機関で肺炎などの呼吸器疾患の診断設備が増強される中、気管支内視鏡の需要急増に対し、富士フイルムは世界各地からの要望に応えました。
※ 本ページは、サステナビリティレポート2020と同内容を掲載しています。