富士フイルムグループでは会社主導のものだけでなく、労働組合も独自の社会貢献活動を展開しています。その代表例である中国での植林ボランティア活動は2008年、11回目を迎えました。
富士フイルム労働組合は1998年から毎年、中国での植林ボランティア活動を続けています。
同労組は従来から「何をしてもらえるか」だけでなく「何ができるか」という視点で社会貢献活動にも積極的に取り組んできました。労組結成50周年(1997年)を迎えたのを機に活動を環境保全にも拡大。かけがえのない地球を緑(グリーン)で満たし、笑顔(スマイル)で暮らせる社会にしたいとの思いを込めて「グリーンスマイル活動」をスタートさせました。その柱となるのが地域のクリーンアップ活動「グリーンエイド作戦」や森林保全活動などへの助成活動、また中国における砂漠緑化活動にも力を入れています。
1998年から2001年の4次隊までは日本砂漠緑化実践協会が主催するクブチ砂漠へ毎年15人前後の参加者を送り、その後はNPO緑化ネットワークが実施する内モンゴル自治区ホルチン砂漠への派遣を続けています。2006年の9次隊からは中国の現地法人からの参加者も加わり、2008年の11次隊までに労組スタッフ11人を含め136人が植林ボランティアとして派遣されました。
中国での植林活動スタートから11回目の派遣となる2008年は4月29日から5月6日に実施され、日本からは6人、富士膠片(中国)投資有限公司を始め、上海、蘇州、河北にある中国現地法人の6社から13人が参加しました。
ホルチン砂漠は中国政府から激甚砂漠化地区に指定されている、同国で最も砂漠化の進行が早い土地の一つ。現地の農家や学生も加わり、800本の松の木を植え、約300m2の草方格(草を格子状に埋めて砂の流動を抑えるもの)を作り、これまで植林してきたポプラの枝打ち作業も行い緑化の拡大と維持に一緒に汗を流してきました。
なお、派遣にかかる費用は参加者の自己負担に加え、富士フイルム労働組合が1998年に設立した「グリーンスマイル基金」(財源は組合一般会計から拠出した基金および組合員からの善意のカンパ)からの拠出で補い、また参加者はボランティア休暇などを利用して参加しています。
開成支部 書記長
三澤 博一
11次隊に引率担当として参加し、これまで縁遠く感じていた社会貢献が「誰でもできる」ことを実感しました。また「楽しくて人の役に立つ」「自分にできることをする」大切さを学び、以後、節電や自動車の緩発進などを実践しています。考えて何もしないのではなく、まず自分にできることから始めていこうと考えています。
業務部 課長
厳斌
内モンゴルと聞けば緑の草原を思い描くものですが、今回見たのは驚くほど過酷な風景で、あらためてこの活動の意義を知りました。皆も同じ思いだったのでしょう。懸命に松の木を植え、その日の300本をあっという間に終えました。翌日に植えた分を含め、これらの苗が植林地区で最も美しい新緑になることを祈っています。
副中央執行委員長
高橋 早苗
富士フイルム労働組合が個人参加型の社会貢献活動として、中国における砂漠緑化活動「緑の協力隊」を立ち上げてから11年が経ちました。この間、私自身も2007年の10次隊に参加していますが、砂漠化の進行を目の当たりにすることで地球環境問題を切実な問題としてとらえ直すだけでなく、同じ目的を持って参加した仲間とのチームワークの醸成、現地の農家との交流など、この活動にはより幅広い意義があることを感じています。また、3年前から行っている中国現地法人との協働作業は、国籍や言語の壁を越えて、グループ企業の仲間との絶好の交流機会にもなっています。
2009年も12次隊を派遣し、今後とも「緑の協力隊」は継続していく予定ですが、さらに国内における社会貢献活動にも一層力を注ぎたいと考えています。すでに行っている富士山の清掃活動に加え、2008年には千葉の里山保全活動や東京都西部の檜原村「フジの森」主催の「森づくりプログラム」への参加など検討を始めました。家族を含むより多くの方々が環境保全活動に参加し、実際に体験することで行動を変えるきっかけにしてもらえるよう、私たちは国内での活動についても具体化していきます。