富士フイルムホールディングス

CSR方針

トップコミットメント

[写真]代表取締役会長・CEO 古森重隆

“Never Stop” 持続可能な社会へ
弛まない挑戦により変化を起こす

代表取締役会長・CEO
古森重隆

全社一丸となって社会課題解決に挑む

今年も、日本、世界各地で、大きな災害が発生しています。被災された方々には心よりお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復興、復旧をお祈り申し上げます。

古来、人間は、自然災害を「天災」と呼び、人智を超えた抗いがたき災難として対処してきました。しかし、近年、人口急増や経済活動の急激な拡大が気候変動の誘因となり、「天災」被害を増幅させていると感じざるを得ません。気候変動を抑制し、災害に対する強靱性、適応力をいかに強化するか?これは、SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)の一つでもあり、人智を結集すべき課題といえましょう。一方、グローバルな政治、経済の面でも課題が山積しており、ここでも互いに知恵を出し歩み寄ることが求められます。当社も全世界で事業を展開するグローバル企業として、SDGsで掲げられた目標に向けた取り組みを進めていますが、さらに成果を高めていくには、全世界7万人を超える従業員が当社の果たすべき役割、目指す姿を共有し、力を合わせていくことが何より重要です。

当社は本年4月に「富士フイルムグループ企業行動憲章・行動規範」を、世界情勢や社会環境の変化に対応するべく12年ぶりに改定しました。この「企業行動憲章・行動規範」は、全従業員が共有し、日々の活動の指針となるものです。今回の改定では、「イノベーションにより積極的に社会課題の解決に貢献していくこと」を明言し、また「『オープン、フェア、クリア』の姿勢で事業活動を行うこと」を改めて宣言しています。今回、本憲章・規範を24言語で発信し、世界各地の従業員が自分の言葉で理解できるようにしました。新しい「企業行動憲章・行動規範」の下、グローバル企業として、社会課題の解決に挑んでまいります。

「VISION2019」を必達し、次の飛躍への布石を打つ

当社は2017年に中期経営計画「VISION2019」を発表し、この達成に向け、活動を推進しています。「VISION2019」は、同時に発表したCSR計画「Sustainable Value Plan2030(SVP2030)」で示した2030年に目指すべき姿を実現するための当面のアクションプランです。

「VISION2019」2年目にあたる2018年度の当社グループの売上高は、メディカルシステム事業やバイオCDMO事業などヘルスケア領域を中心に伸長し、2兆4,315億円となりました。営業利益は、ドキュメント事業における収益性の改善や構造改革の効果などもあり、対前年70%増の2,098億円と過去最高となり、当社株主帰属純利益は1,381億円となりました。

各事業において「VISION2019」に基づく戦略を着実に遂行しており、現場一人ひとりの努力が成果となって表れてきていると感じています。2019年度は「VISION2019」の最終年度であるとともに、次の中期経営計画を立案する年にあたります。貿易摩擦、為替影響など事業環境は厳しさを増しておりますが、「VISION2019」を達成し、さらに次の飛躍に向けた戦略を練り布石を打つ、この2つの課題に向け、経営、研究開発、生産、営業、それらを支えるスタッフの全員が全力で取り組んでいきます。

中長期的な成長に向け「SVP2030」を推進する

CSR計画「SVP2030」は、2030年に目指す姿として重点化すべき分野と目標を定めたものです。「環境」「健康」「生活」「働き方」「サプライチェーン」「ガバナンス」の6分野を重点としています。

まず、「環境」分野では、国際社会共通の最重要課題の一つである気候変動抑制に向け、「2030年度までに製品ライフサイクルにおけるCO2排出量30%削減(2013年度比)」の目標を設定しています。2018年度の実績は、工場・事業場の省エネルギーなどにより、対前年8%減、2013年度比22%減となり、順調に進んでおります。加えて、国際的な要請に応え、2018年12月にTCFDへの賛同を表明、さらに本年1月には、「2050年に購入電力を100%再生可能エネルギー化、及び全使用エネルギーでCO2排出量ゼロ化」という目標を公表し、使用電力の100%再生可能エネルギー化を目指す国際的なイニシアチブ「RE100」に加盟しました。

「健康」分野では、医療格差の改善を目指し、電力供給が不安定な地域で使える発電機内蔵のX線画像診断システム、小型堅牢な携帯型超音波診断機器の普及、遠隔地と診断拠点をつなぐ医療ITシステムの開発などを進めています。本年8月に開催された第7回アフリカ開発会議(TICAD7)にて、これらを紹介し、来場者から高い関心が寄せられました。さらに普及を進めていきます。

また社会への貢献を進める一方、従業員の健康にも注力しており、本年9月に「健康経営宣言」を制定しました。すべての従業員が健康で活き活き働くことは企業の活力の源です。全世界の従業員を対象とし、国、地域ごとに目標を設定し、健康経営を進めていきます。

これら「SVP2030」で推進する課題は、中長期の企業成長を目指す上で欠かせないものです。当社は本年6月、これまで経営企画部内に置かれていたCSR部門を発展的に改組し、「ESG推進部」を新設、社長直下の組織としました。新組織を軸に、「SVP2030」で定めた課題を着実に推進し、中長期の成長を目指します。

  • * 気候変動に関するリスク、機会の両面の情報開示を求める提言

強い意志と積極果敢な行動力で自ら社会に変化を起こしていく

私は、常々「企業とは公正な競争を通じて利潤を追求することと同時に、社会にとって有用な存在であるべきだ」と話してきました。経営にとって、事業における利益の最大化は、重要な経営目標です。と同時に、経営は、企業がSDGsに掲げられているような気候変動、貧困、格差といった社会課題の解決に貢献することも目指さねばなりません。これらが達成されてこそ、企業のゴーイングコンサーンが担保され、すべてのステークホルダーに報いることができるのです。当社は、かつて急激な写真フィルムの需要減少という危機を、フィルムの開発製造によって培われた多様な技術を展開させ、経営、従業員が一体となって、乗り越えてきました。社会課題の解決は、どれ一つとして容易なものではありません。しかし、全従業員が従来のやり方にとらわれず、新たなアプローチを考え、必ず成し遂げるという強い意志を持ち、積極果敢に行動していけば、諸課題の解決に資する貢献ができると信じています。

「Never Stop」、決して立ち止まることなく、全従業員と共に、持続可能な社会に向けた弛まない挑戦を続けていきます。

2019年11月