富士フイルムホールディングス

CSR方針

トップコミットメント

持続可能な社会の実現に欠かせない企業として、富士フイルムグループだからこそ提供できる価値で貢献していく

代表取締役社長・CEO
後藤 禎一

コロナ禍でも社会課題解決の歩みを止めない

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)はいまだ収束せず、世界中の人々の生命を脅かすだけでなく、生活や教育、働き方などあらゆる面で多大な影響を与えています。感染が拡大した2020年初頭以降、経済活動のみならず、SDGs実現に向けたさまざまな取り組みにも停滞が生じ、企業が果たすべき役割とは何かが改めて問われています。 

富士フイルムグループはこの1年、ワクチン候補原薬の製造受託、AIを活用した肺炎の画像診断支援ソフトウエアや変異ウイルス検出試薬の開発・提供等、COVID-19克服に貢献すべく全力で取り組んできました。かつて写真フィルムを生業の中心としていた会社から業態転換を行い、ヘルスケアや高機能材料領域に注力する企業となった今、これまで以上に事業活動を通じて社会の力になることの責任を強く実感しています。“ポストコロナ”に向け、むしろこの機会に地球温暖化等の社会課題に対応できる、よりレジリエント(強靭)な社会を実現しようとする「グリーン・リカバリー」の考えも広まっており、企業として社会課題解決に向けた歩みを止めることはありません。国連グローバル・コンパクトに署名する企業として、人権、労働、環境、腐敗防止の4分野にわたる10原則を継続して支持するとともに、すべての企業活動において持続可能な社会の実現に向けた取り組みを加速させていきます。

CSR計画「Sustainable Value Plan 2030」の実現に向け
新・中期経営計画「VISION2023」で新たなスタートを切る

当社は、2030年に目指す姿として、2017年にCSR 計画「Sustainable Value Plan 2030(SVP2030)」 を策定し、「事業を通じた社会課題の解決」と「事業プロセスにおける環境・社会への配慮」の両面から4つの重点分野(環境、健康、生活、働き方)と事業活動の基盤(サプライチェーン、ガバナンス)における課題・ 目標を設定しました。同時に、その実現に向け、中期経営計画「VISION2019」をベースとしてこの4年間活動を展開し、幅広い事業ポートフォリオの強化を進めることでパンデミックが起きても揺るがない強固な事業基盤を確立してきました。そして2021年4月、SVP2030を実現するための次なるステップとして、新・中期経営計画「VISION2023」を発表しました。 

「環境」課題での気候変動への取り組みとしては、製品ライフサイクルにおけるCO2排出削減目標*1を30%から45%に(30%削減は2019年度に達成)、そして社会でのCO2排出削減への貢献目標を50 百万トンから90百万トンに上方修正しました。この45%のCO2排出削減目標は、国際的な環境イニシアチブである「Science Based Targets (SBT)」より、パリ協定の「2℃目標」を達成するための科学的根拠に基づいた目標としてWB2℃(2℃を十分に下回る)認定を取得しています。さらに1.5℃認定を目指した検討を始めており、これらの取り組みを踏まえ、TCFD(気候変動関連財務タスクフォース)提言に基づくシナリオ分析を充実させていきます。

「健康」については、AI技術を活用した医療製品・サービスのすべての国・地域での導入を目指し、2019年度実績・57か国・地域から2030年度には196か国・地域まで導入を拡大することを目標としました。併せて、医療製品を扱う医師・検査技師への技術指導等を積極的に展開していくことで、これまで医療が十分に行き届いていなかった地域での医療アクセスの向上、医療の質の向上を実現させ、地域間格差の解消に取り組みます。

「生活」分野では、デジタルトランスフォーメーション(DX)が進む社会において、5Gや自動運転等の発展に欠かせない最先端の半導体向け電子材料の開発、データ社会を支える記録メディアやディスプレイ材料等の導入推進、商業印刷・パッケージ印刷のデジタル化支援、さらに心の豊かさを生み出す写真・映像領域での製品・サービスの創出まで、幅広い接点で安心・安全な社会と平和な暮らしの醸成に貢献します。 

「働き方」については、働く人々の生産性向上と創造性発揮を支援する働き方を5000万人に提供することを目標に、ソリューションの提供をより充実させていきます。これには、2021年4月に富士ゼロックスから社名を新たにした「富士フイルムビジネスイノベーション」が中心となって、その名のとおりお客さまのビジネスに革新をもたらす価値を提供していきます。 

また、今年度は新経営体制を発足させ、経営の「執行」と「監督」の機能をより明確化しました。取締役会では、中期経営計画の方針どおり会社が動いているか、すべてのステークホルダーに対してフェアに機能しているか、そして当社の目指す方向性が社会の求める価値と合致しているかどうかをモニタリングし、事業拡大を止めない、透明性を高めたガバナン スを実現します。

社会により良い変化を生み出すため
富士フイルムグループは成長し、価値を提供し続ける

富士フイルムグループは、多岐にわたる事業を展開し、さまざまな社会課題に多様な角度から貢献できる力を持っている会社です。「環境」「健康」「生活」「働き方」の4つの重点分野で社会に貢献し、グローバルで全事業の展開を加速させていくためには、AI技術やICTを活用した業務プロセスの効率化やグループ内シナジーの創出、そして目標実現に向けて挑戦し続ける多様な人材の育成が欠かせません。そのため、私はCEO就任にあたり自身のコミットメントとして、(1)ヘルスケアと高機能材料を中心とした成長の加速と、その他事業の収益性・効率性の向上、(2)全社規模でのDXの推進、そして(3)世界で活躍できる人材の育成・強化、を掲げました。これらを実行していくことで、富士フイルムグループの強みを確実に社会への価値につなげていきます。すでにDXについて、グループとしてのDXビジョンを2021年7月に策定したのを皮切りに、事業ごとの課題策定等を行う「All-Fujifilm DX推進プログラム」も私の指揮下で開始しました。

社会をより良いものへと変えていくために、富士フイルムグループは変化を生み出し続けることのできる企業でなくてはならないと考えます。グループ一体となって“NEVER STOP”のスピリットで挑戦し、成長し続け、私たちだからこそ提供できる価値で、持続可能な社会の実現に向け一層貢献していきます。

2021年9月

  • *1 2013年度を基準年度とした2030年度目標