富士フイルムホールディングス

CSR方針

トップコミットメント

今、果たすべき使命は何か?
ポストコロナ社会に向け、自ら変革し、「たゆまぬ挑戦」により持続可能な社会の実現に貢献する

代表取締役会長・CEO
古森重隆

新型コロナウイルス感染症に全力で挑み、経済の再生に寄与していく

2020年初頭から新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、瞬く間に世界中に広がり、未だ終息の気配をみせていません。この間、この感染症により多くの人命が失われました。亡くなられた方々に心からお悔やみを申し上げるとともに、日々、現場で奮闘されている医療関係者の方々に大いなる敬意と感謝を申し上げます。

COVID-19の蔓延により、グローバルな人・物の動きが著しく減少し、世界の各都市で外出禁止・自粛要請が出されるなど人々の暮らしは一変しました。IMF(国際通貨基金)によると2020年の世界経済の成長率は-4.4%と予想されています。各国は持続可能な開発目標である「SDGs」を共有し、その達成に向け協働しつつありますが、COVID-19への対応は、今や人類共通の喫緊の課題となっています。COVID-19を克服せねば、社会・経済活動の回復と、その先の「SDGs」の達成は極めて困難といえましょう。COVID-19克服のため、世界の英知を集め、すべての人々が協力し全力で取り組まねばなりません。

企業においては、この環境下においても、事業活動を継続、発展させ、停滞した経済に活力を取り戻すべく、ポストコロナ社会に向けた、新たな製品やビジネスを打ち出すことが求められています。富士フイルムグループも、一刻も早くこのCOVID-19を克服すること、人類の課題に正面から向き合い、企業の使命を果たすべく、従業員が一丸となり全力で取り組んでおります。

事業を通じた社会課題の解決を体現する

当社では、COVID-19への対応・対策が最も重要な社会課題という認識をもち、以前から開発に取り組んできた技術、知見を総動員し、感染拡大の抑止や「ポストコロナ」の生活への貢献を目指し、様々な活動を行っています。

当社の重点事業の一つであるヘルスケアでは、「予防」「診断」「治療」の各領域での取り組みを進めています。「予防」においては、ワクチンの製造受託や銀の研究で培った独自技術を生かした除菌製品の提供、「診断」では、PCR検査の大幅な時間短縮を実現する試薬や検出キットの開発・販売、X線や超音波などの診断機器の提供に加え、AI技術を用いたCOVID-19肺炎の診断支援技術の研究を国内医療機関と共同で推進しています。「治療」における代表例は、抗インフルエンザ薬「アビガン錠」です。アビガン錠は日本で実施した治験において有効性を確認したため、2020年10月、COVID-19に係る効能・効果などを追加する「製造販売承認事項一部変更承認申請」を厚生労働省に行いました。また要請に応じ、全世界にも迅速に届けられるよう増産を進めています。

ヘルスケアだけではありません。今回の感染拡大で委縮した人々の気持ちを「写真の力」で回復する取り組みも行っています。日常生活でのマスク着用が定着したため、相手の表情が読みづらく、特に全身防護服で覆われた医療従事者と接する際に感じる不安は大きいものですが、インスタントカメラ“チェキ”で撮影した笑顔の写真を胸につけることによりその不安を和らげる運動を展開しています。

また、リモートワークをサポートする「セキュリティ・ネットワークサービスbeat」などのソリューションの提供による、いつでもどこでも働ける環境の構築、公共空間において人と人との距離を保つための足元の案内サインの導入など、「ポストコロナ」の生活を支援する活動も進めています。

これらの取り組みは、簡単に成しえるものではありません。様々な事業と技術をもち、全世界の従業員がこの人類の危難に対し、自分が携わる事業、技術で何が出来るかを考え、何としても役立ちたいという熱い思いと行動力をもって生み出したものです。当社が目指している「事業を通じた社会課題の解決」をまさに体現したものだといえましょう。こうした活動を誇りに思うと同時に、社会からより必要な存在になるべく邁進するとの決意を新たにしています。

気候変動への対応、そしてCSR計画の達成を全員で目指す

新たな感染症が発生する要因には、人口急増や経済活動の急激な拡大がもたらす地球温暖化や生態系の変化があるといわれています。地球温暖化は、日本で毎年のように発生する集中豪雨や大型台風による河川の氾濫、米国で発生する巨大ハリケーンなど、自然災害が年々甚大になる理由ともいわれています。私は、地球温暖化は、感染症とともに人類の生活を脅かす危機の一つだと考えています。

当社は、2030年に目指す姿として、重点6分野「環境」「健康」「生活」「働き方」「サプライチェーン」「ガバナンス」からなるCSR計画「Sustainable Value Plan 2030(SVP2030)」を策定し、達成に向け活動しています。本計画の中でも、特に気候変動への対応は重要です。本年7月に、これまで掲げてきた2030年までの環境目標を上方修正し、さらに意欲的な目標としました。原材料調達から製造、輸送、使用、廃棄に至るまでの製品ライフサイクル全体でのCO2排出削減目標を、2013年度比30%から45%に引き上げました。これにより、国際的な環境イニシアチブであるSBT(Science Based Targets)より、パリ協定の「2℃目標」を達成するための科学的根拠に基づいた目標としてWB2℃(2℃を十分に下回る)認定を獲得しました。さらに社会のCO2排出削減に貢献することを目指し、環境負荷削減に大きく貢献する製品を自社内で認定する制度「Green Value Products」認定製品の売上比率を、2030年度までに60%とすること、そして当社すべての事業で認定製品を創出することも目標としました。気候変動をはじめとした環境課題、そしてSVP2030で掲げた目標をすべての従業員が認識し、それぞれの持ち場で自分ごととしてとらえ、取り組んでいきます。

社会に優れた価値を提供し続けるために、たゆまぬ挑戦を続ける

企業に課せられた使命は、優れた価値、あるいは諸々の問題の解決策をもつ製品やサービスを提供することで社会の進歩に寄与することだと考えます。これまでも人類は感染症や災害、戦争など様々な危機に直面してきました。その度に、世界中の組織、人々が協力し、危機を克服し、新しい世界を切り拓いてきました。危機は社会が大きく変化する機会でもあります。今回のコロナショックにおいても、在宅勤務を支えるインフラ整備の加速、社会や行政のデジタル化への機運が一気に高まるなど、社会変革のスピードが増しています。そして、企業もまたこうした社会の動き、要請に呼応し自ら変革し、新しい姿に変わっていかねばなりません。当社は、これまでもデジタル化の急激な進展、リーマンショックなど、数々の危機を自ら変革し乗り越え、新たな価値を創造し続けてきました。

今年度の経営方針は、「All-Fujifilmでたゆまぬ挑戦を!」です。2021年4月、富士ゼロックスは、お客様のビジネス活動に革新を起こす存在へと名実ともに進化するという決意を込めて、「富士フイルムビジネスイノベーション」に社名を変更します。コロナ禍で先が見えない厳しい時代ですが、これを機会ととらえ、我々は変化し続けていきます。当社には、「先進独自の多様な技術」と「変化を恐れない精神」、そして「社会に貢献するという熱い心」があります。社会課題がどんなに高い壁であろうとも乗り越えていけないはずはありません。富士フイルムグループすべての従業員の力を結集し、たゆまぬ挑戦により、より良い社会の実現に向けて貢献する強い決意をもって挑戦を続けていきます。