CSR活動報告│その他の取り組み│社会貢献活動

富士フイルムマテリアルマニュファクチャリング 九州エリアの地域貢献

(富士フイルムの活動)

富士フイルムマテリアルマニュファクチャリング 九州エリア(旧:富士フイルム九州)は、 事業活動を通じて地域経済の発展に貢献していくとともに、地域社会の「環境保全」や「文化の振興」にも積極的に取り組んでいます。

地下水保全活動

熊本県は、1,000か所以上の湧き水があり、環境省が選ぶ「名水百選」に全国最多の8か所が選ばれるなど、「水の都」として知られています。富士フイルムマテリアルマニュファクチャリング 九州エリアは、地下水かん養林や、かん養田の推進のほか、雨水を生産工程で再利用するなど地下水保全に取り組んでいます。これらの地下水保全活動は各所で高く評価され、2016年に公益財団法人くまもと地下水財団の「地下水保全顕彰制度」で最優秀賞グランプリ、2017年に熊本県の「くまもと環境賞・くまもと水の国賞」、2018年に国土交通省の「水資源功績者表彰」を受賞しています。

水源かん養林整備

熊本県内の、阿蘇山につらなる11市町村の水道水源となる地下水。このもととなるのが、阿蘇山麓一帯の白川上流域に降る雨や、白川中流域の水田から取り込まれる水です。土壌に染み込み、長い時間をかけてろ過され、地下水の層を作り上げています。

この地下水を守ることを目的に、富士フイルムマテリアルマニュファクチャリング 九州エリアは、南阿蘇村と地元森林組合の協力を得て、水源かん養林の植林・整備を進めています。「富士フイルム光の森林(もり)」と名付けられ、2007年から2022年の15年をかけ、南阿蘇村の5.24ヘクタールの敷地に約13,000本のコナラやヤマモミジ、ヤマザクラを植樹しています。

[画像]FUJIFILM 光の森林 看板

光と色をコントロールする技術を追求していることから命名

[画像]植樹活動の様子

富士フイルムマテリアルマニュファクチャリング 九州エリアの従業員も植樹活動に汗を流しました

[画像]水源かん養林

現在の水源かん養林。木々も成長しています

[画像]かん養林から望む阿蘇山

かん養林から望む阿蘇山

熊本県の森林吸収量認証書を受けています

森林吸収量とは、森林が吸収する二酸化炭素量のことです。熊本県では「森林吸収量認証制度(2010年4月施行)」を制定し、企業の森林整備や保全活動の二酸化炭素吸収量を認証しています。

富士フイルムマテリアルマニュファクチャリング 九州エリアは、南阿蘇の水源かん養林の植栽活動や森林整備、下刈り支援といった継続的な森林保全活動が評価を受け、2011年第一号の認証書を交付されました。初回認証以降も毎年継続して認証を受け続け、2023年2月には12年連続となり、年間62.43トンの森林吸収量が認証されました。

[画像]熊本県森林吸収量認証書

地下水かん養田

富士フイルムマテリアルマニュファクチャリング 九州エリアでは、地域の方々と地元の豊かな生活環境を守るべく、人的交流や自然環境保全に積極的に取り組んできました。その一環として2010年から、地下水かん養を目的に、地元農家の米作りを支援する活動をしています。

同事業所の所在地である菊陽町、熊本市を含めた阿蘇山に連なる11市町村は、約100万人分の水道水資源を地下水で賄う、日本で唯一、世界でも稀な水の都です。

熊本の人々をうるおしている地下水。豊かな地下水が保持できた理由のひとつが、阿蘇山麓から菊陽町に広がる白川中流域の水田にあります。この一帯の水田は「ザル田」と呼ばれるほど水の浸透率が高く、他の地域の10倍とも言われています。この水田を入口に、大量の水が浸透、地下水に供給されます。

しかし近年、残念ながら地下水の水位が下がってきているのとの報告があり、その原因として都市開発による宅地化や農家の後継者不足による水田面積の減少があげられています。

同事業所は、この地域で事業活動を行う企業の責務として、地元農家の協力を得ながら、菊陽町の水田を利用した地下水かん養を実施し、熊本県の宝である地下水の保全に努めています。また、従業員やその家族が田植え、稲刈りに参加して、地下水かん養や自然環境保全の大切さを学ぶことで、社内における環境意識の維持向上につながっています。

[画像]春の田植え

春の田植え。この田んぼから水が浸透、地下水へと変わります

[画像]従業員と家族で稲刈りにも取り組んでいます

従業員と家族で稲刈りにも取り組んでいます

さくら祭り

富士フイルムマテリアルマニュファクチャリング 九州エリアでは、地域の皆さまの理解と協力への感謝を表すとともに、地域との絆を深めることを目的とした「さくら祭り」を例年開催しています*1。桜の開花時期に合わせ、工場敷地の一部分を一般開放し、会場には従業員や近隣商工会による模擬店などが並び、ステージでは地元団体のパフォーマンスや従業員によるゲームなどがおこなわれます。また、会場を回るスタンプラリーやガラポン抽選会、満開の桜をスケッチできる用具の貸し出し、絵本の読み聞かせなど多彩な企画もあり、幅広い年齢の方々に楽しんでいただいています。「さくら祭り」は、従業員が中心となり作り上げる「地域との交流の場」として、同事業所を知っていただく良い機会にもなっています。

  • *1 2020年~2023年は新型コロナウイルス感染症の影響に伴い開催中止
[画像]工場敷地内のステージの様子

工場敷地内のステージでは、さまざまなパフォーマンスを披露

[画像]満開の桜

満開の桜のもと、多くの方が訪れます

構内の桜を地域の方へ開放

「さくら祭り」は、新型コロナウイルス感染症防止のため、2020年~2023年の4年連続で開催を中止しました。せめて構内の桜を地域の方に楽しんでもらおうと、2021年から構内を一般開放し、桜を介した地域との交流を続けています。2022年まではソメイヨシノを中心に一般開放していましたが、2023年は「早咲きの桜も見たい」という地域の皆さんからのご要望にこたえ、春めき桜*2の開花に合わせて2週間早く一般開放をおこない、期間中のべ6,000人が花見に訪れました。実は構内の約50本のソメイヨシノは、ほとんどが前身の富士フイルム九州建設以前に植樹され、地域の方々に長く愛されてきたものです。来場された地域の方からは「ゆっくりと桜を見られてよかった」「桜を大事にしてくれてありがとう」といったうれしいお声もいただきました。

  • *2 春めき桜:富士フイルム創業の地である神奈川県・足柄工場建設に深く関わった第2代社長の春木榮氏が亡くなった際、偲ぶ意味を込めて南足柄市の狩野川沿いに「足柄桜」と呼ばれる桜が植えられました。「足柄桜」は、“春めき”という品種名の桜で、ソメイヨシノより少し早めの3月上旬ごろに満開となります。
    富士フイルムマテリアルマニュファクチャリング 九州エリアでは、この春めき桜を熊本の地でも広めたいと、2006年から工場周辺に植樹をスタートしました。ひと足先に春を告げる花として、近隣住民の皆さまに親しまれています。
[画像]ソメイヨシノの解放風景

ソメイヨシノの解放風景

[画像]春めき桜を眺めながらのお散歩

春めき桜を眺めながらのお散歩

令和2年度緑化優良工場等表彰「経済産業大臣賞」

富士フイルムマテリアルマニュファクチャリング 九州エリア(受賞当時:富士フイルム九州)は、経済産業省主催の「令和2年度緑化優良工場等表彰」において「経済産業大臣賞」を受賞しました。これは緑化活動を通して工場内外の環境向上に功績があった工場・団体・個人を表彰するもので、1982年に創設されました。

同事業所は26万m2の敷地中、6万m2が緑地。周囲の環境と調和を図るため、桜などを計画的に植林しています。2020年の受賞は、これらの取り組みを評価されての受賞です。ちなみに2017年には同賞の「九州産業局長賞表彰」「日本緑化センター会長表彰」をダブル受賞しており、2020年はこれよりさらにステップアップした受賞になります。

[画像]「経済産業大臣賞」を受賞した、2020年の表彰式の様子

「経済産業大臣賞」を受賞した、2020年の表彰式の様子

[画像]構内には約50本のソメイヨシノが植樹されています

構内には約50本のソメイヨシノが植樹されています

公共温泉施設への熱供給事業

富士フイルムマテリアルマニュファクチャリング 九州エリアでは、工場内の自家発電装置から発生する蒸気の一部で温水を作り、それを隣接する公共温泉施設「さんさんの湯」へ加温用の熱として提供しています。この取り組みにより、蒸気エネルギーの有効活用を図っています。

[画像]温泉施設「さんさんの湯」への加熱用の熱を提供しています
[画像]多目的施設「さんふれあ」

温泉施設「さんさんの湯」がある、多目的施設「さんふれあ」