ニュースリリース

2023年11月16日

北米の富士フイルムグループ全拠点の使用電力を再生可能エネルギー化

米国・カナダでバーチャルPPA(電力購入契約)を導入

富士フイルムホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長・CEO:後藤 禎一)は、北米エリアの富士フイルムグループ全拠点(米国・カナダ)にバーチャルPPA※1(Power Purchase Agreement:電力購入契約)を導入し、すべての使用電力を実質的に再生可能エネルギー(再エネ)に転換することをお知らせします。

当社は、将来にわたり追加性※2のある再エネ電力を長期に安定的に確保するため、自社での再エネ発電設備の設置、および発電事業者から再エネ電力を調達するコーポレートPPAを優先する方針としています。コーポレートPPAの一つであるバーチャルPPAは、発電事業者の再エネ発電設備で発電される電力の環境価値を、再エネ電力証書※3として長期にわたって需要家に提供する仕組みです。

北米エリアの富士フイルムグループ全拠点の電力調達を担うFUJIFILM Holdings America Corporation は、米国のエネルギー企業National Grid Renewables(ナショナル・グリッド・リニューアブルズ)社から15年にわたり、同社が米国テキサス州ブレビンスに建設予定の太陽光発電設備※4から発電される約30万MWh/年※5の再エネ電力証書を購入※6します。これにより、富士フイルムグループは、北米拠点の使用電力を実質的に再エネ化し、グループ全体の2022年度CO2排出量の約9%にあたる年間約9万トンを相殺します。なお、ナショナル・グリッド・リニューアブルズ社の太陽光発電設備稼働は2025年後半を予定しています。

富士フイルムホールディングスは、2040年度までに自社が使用するエネルギー起因のCO2排出実質ゼロにすること、および2030年度までに原材料調達から製造、輸送、使用、廃棄に至るまでの自社の製品ライフサイクル全体でCO2排出量の50%削減(2019年度比)することを目指しています。これらの目標達成に向け、環境負荷の少ない生産活動「Green Value Manufacturing」の推進と、優れた環境性能を持つ製品・サービス「Green Value Products」の創出・普及の二軸で構成する環境戦略「Green Value Climate Strategy」を策定し、CO2排出削減に取り組んでいます。2022年度は、2019年度と比べて自社が使用するエネルギー起因のCO2排出量を10%、製品ライフサイクル全体の同排出量を9%削減しました。

富士フイルムグループは、使用電力の再エネ転換を進めるとともに、燃料を用いるディスプレイ材料などの高機能フィルムの生産工程では、メタネーションや水素などの最先端の脱炭素技術を用いた新たな生産活動を追求するなど、電力と燃料の両面で脱炭素化を推進しています。今後も気候変動問題の解決に向けた積極的な取り組みを継続していくことで、脱炭素社会の実現に貢献していきます。

  • ※1 PPAとは、需要家が発電事業者と締結する長期の電力購入契約。発電事業者が発電設備の運用やメンテナンスなどを行い、需要家は電力料金として毎月固定価格を支払う。需要家の敷地内に発電設備を設ける「オンサイトPPA」、需要家の敷地外に設けた発電設備から送電網を介して電力を調達する「オフサイトPPA」、電力の環境価値のみを調達する「バーチャルPPA」を総称してコーポレートPPAと呼ぶ。
  • ※2 企業などが選択したエネルギーの調達方法が新たな投資を促し、再エネ電源を拡大させる効果があること。
  • ※3 再エネによって発電された電力が持つ付加価値(CO2排出ゼロ)を電力そのものから切り離し、電力量と紐づけて証書化したもの。
  • ※4 発電容量は270MW。内、当社契約分は125MW。
  • ※5 建設される太陽光発電設備で発電される再エネ電力全体の約46%。
  • ※6 米国のエネルギー企業National Grid Renewables社が設立した特定目的会社Blevins Solar, LLCから購入。

お問い合わせ

報道関係

富士フイルムホールディングス株式会社
コーポレートコミュニケーション部 広報グループ

  • * 記事の内容は発表時のものです。最新情報と異なる場合(生産・販売の終了、仕様・価格の変更、組織・連絡先変更等)がありますのでご了承ください。