主な事業:バイオ医薬品の受託製造・販売、原薬製造
富士フイルムグループは、写真フィルム事業で培った生産や品質管理の技術を生かし、顧客の新薬創出のサポートに向けたバイオ医薬品のCDMO*2事業を推進しています。その中核となるFUJIFILM DiosynthBiotechnologies(FDB)は、高度な生産技術や最新設備を有し、幅広い顧客ニーズに対応しています。
また環境課題においても、各拠点の従業員が一体となって積極的に活動を展開し、富士フイルムグループの一員として、CSR計画「Sustainable Value Plan 2030(SVP2030)」の環境目標達成に向けて取り組んでいます。
FUJIFILM Diosynth Biotechnologies Texas, LLCでは、リサイクル活動を積極的に進め、2019年にはこれまで使い捨てにしていた保護具(白衣、手袋、靴カバー)の洗浄リサイクルプログラムを開始し、約400kgの埋立て廃棄物の削減につなげました。
FUJIFILM Diosynth Biotechnologies U.S.A., Incでは、高効率ボイラー設備への更新やLED照明への転換を進めています。今後は研究棟・製造棟の機器について高効率機器へ更新していくほか、テキサス州にて開発が進められている風力発電由来の再生可能エネルギークレジットの活用など、将来に向けたCO2排出削減施策も併せて検討しています。
FUJIFILM Diosynth Biotechnologies UK Limitedでは、通勤や移動による環境への負荷軽減のため、自転車の積極的な活用の呼びかけや、専用システムを用いたカープーリング(シェアライド)などの取り組みを実施し、CO2排出抑制につなげています。
FUJIFILM Diosynth Biotechnologies Denmark ApSは、事業場の所在地であるHillerød市の自治体や近隣企業と連携し、地域で共有できる新しい蒸気プラントを設置し、蒸気や温水を共同使用することで、エネルギー利用効率向上を地域と協働で進めています。今後、廃水や廃棄物処理設備も導入し共有することで、環境負荷低減を地域と一体となって推進していきます。また従業員への環境に対する啓発を進めた結果、コーヒーメーカー不使用時の自動電源オフやサイト内の植栽など、自主的な活動も活発に行われています。
主な事業:X-レイフィルム、各種機能性フィルム(ディスプレイ用途ほか)、抗菌材料、プリント用支持体の製造
富士フイルム富士宮事業場は、世界文化遺産である富士山の南西山麓に位置し、清澄な空気や豊富な湧き水などの豊かな自然に恵まれています。この自然の恵みを守るべく、事業場周辺・河川水源地の清掃活動や事業場内での環境危険予知活動など、環境リスク低減に向けた取り組みにより、地域社会とともに環境保全を進めています。また、事業場で保有する高効率自家発電設備で発電した電力の一部を、富士フイルムグループ内に自己託送することで、国・地域の電力不足解消に貢献するなど、社会の環境課題に対し先進的な取り組みを行っています。
富士宮事業場ではインバータ制御や廃熱利用などの省エネ施策に加え、生産数量変動時もエネルギー供給設備をフレキシブルに運用することで高いエネルギー利用効率を維持するなど、事業場の保有する省エネ技術・設備を駆使し、継続的にCO2排出削減を進めてきました。2019年はさらなる省エネの取り組みとして、X-レイフィルム製造工程での塗布方式の見直しによる乾燥負荷の低減など、「製造条件に踏み込んだ省エネ設計の導入」を、技術部門、製造部門、品質保証部門が一体となって取り組み、エネルギー利用効率の改善により年間1,000トンのCO2排出削減を達成しました。
富士宮事業場の主力製品であるPETフィルム製品については、製品加工で発生する端部ロスの一部を回収し、原材料として再利用しています。また、品質上再利用できない端部ロスに関しても回収し、社外にてリペレット化、他用途に使用することでPETフィルム原材料の有効活用と廃棄物削減を推進しています。
さらなる回収・再利用率向上のために、2021年に向け、新たな回収技術の確立を目指しています。
主な事業:レーザープリンター、複合機、消耗品の製造
1995年に設立したFUJIFILM Manufacturing Shenzhen Corp.は、「環境負荷の低減」を企業の社会的責任の一つとして掲げ、CO2排出の継続的削減、資源循環、有害な化学物質使用の低減などを意欲的に推進しています。
FUJIFILM Manufacturing Shenzhen Corp.では、太陽光パネルによる従業員寮への温水の供給やエネルギー管理センターによるリアルタイムでの電力使用量管理、夜間の省エネ巡視などを進めてきました。その結果CO2排出量は深圳市が定めた企業別削減目標を5年間連続達成したのみならず、企業別排出枠に対しても大幅に下回っています。
金属・プラスチック・紙といった資源ゴミの分別や、生活ゴミの焼却熱を活用した発電、水の循環利用、再生紙の二次利用およびペーパーレスなど、さまざまな3Rに対する取り組みを進めています。
これら継続的な取り組みの結果、FUJIFILM Manufacturing Shenzhen Corp.は2019年、中国国家の推奨標準規格で定められた「グリーン工場認定」を深圳市の日本企業で初めて取得しました。
このほかにも、「2019中国公益グリーン模範賞」等の受賞(2019年1月)や、国の認定機関からの要請により、プリンター機器業界のグリーン工場標準規格策定へ参画(2020年~)するなど、環境への取り組みに関して高い信頼と評価を得ています