気候変動への対応 [重点課題1]
2030年目標 | 指標 | 指標 | 単位 | 実績 | 2030年目標値 | 対目標 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2019 | 2020 | 2021 | 進捗 評価 |
達成度 | |||||
自社のCO2排出削減 | 2030年度までに自社の製品ライフサイクル全体*1でのCO2排出を50%削減(2019年度比) | CO2排出量削減比率 | % | 0 | 15 | 7.5 | 50 | × | 15% |
2030年までに自社が使用するエネルギー*2起因のCO2排出を50%削減(2019年度比) ※2040年までに自社が使用するエネルギー起因のCO2排出をゼロとする |
CO2排出量削減比率 | % | 0 | 6 | 2.9 | 50 | × | 5.7% | |
2030年までに購入電力の50%を再生可能エネルギーに転換 | 再生可能エネルギー比率 | % | 9 | 9 | 9.4 | 50 | 〇 | 18.8% | |
製品・サービスを通じたCO2排出削減貢献 | 2030年度までに社会でのCO2排出削減累積量90百万トンに貢献 | CO2排出削減貢献量 | 百万 トン |
16 | 20 | 24.5 | 90 | ◎ | 27.2% |
環境配慮認定製品「Green Value Products」で2030年度までに全社売上高比60%をカバー | 売上高カバー比率 | % | 27 | 32 | 30 | 60 | 〇 | 50% |
- *1 原材料の「調達」、製品の「製造」「輸送」「使用」「廃棄」
- *2 製品の製造段階における自社からの直接排出(Scope 1)と他社から供給された電気・蒸気の使用に伴う間接排出(Scope 2)
資源循環の促進 [重点課題2]
2030年目標 | 指標 | 指標 | 単位 | 実績 | 2030年目標値 | 対目標 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2019 | 2020 | 2021 | 進捗 評価 |
達成度 | |||||
自社水投入量削減 | 2030年度までに当社グループによる水投入量を30%削減(2013年度比) | 水投入量削減比率 | % | 15 | 16 | 13.7 | 30 | × | 45.7% |
製品・サービスを通じた水処理への貢献 | 2030年度までに社会での水処理量35百万トン/年に貢献 | 年間水処理量 | 百万 トン |
5 | 8 | 6 | 35 | × | 17.1% |
廃棄物削減 | 2030年度までに当社グループによる廃棄物発生量を30%削減(2013年度比) | 廃棄物量削減比率 | % | -9 | 0 | -6 | 30 | × | 0% |
リサイクルの質向上 | 2030年度までに当社グループ全体のリサイクル指数10以上 | リサイクル指数*3 | - | 6.6 | 6.5 | 7.6 | 10 | 〇 | 76% |
2030年度までに当社グループ全体の有価物化指数1以上 | 有価物指数*4 | - | 0.67 | 0.63 | 0.64 | 1 | 〇 | 64% |
- *3 リサイクル指数 =( 再資源化量 + 有価物化量) ÷ 単純処分量
- *4 有価物化指数 = 有価物化量 ÷ 再資源化量
脱炭素社会の実現を目指したエネルギー問題への対応 [重点課題3]
2030年目標 | 2021年度の主な活動 | 対目標 |
---|---|---|
高機能材料により再生可能エネルギーの創出・普及に貢献 |
|
〇 |
- *5 ゼロエミ*6・チャレンジ企業:脱炭素化社会の実現に向けたイノベーションに挑戦する企業をリスト化し、投資家等に活用可能な情報を提供する経済産業省の主催するプロジェクト。2021年10月5日に開催されたTCFDサミット2021において、約600社の「ゼロエミ・チャレンジ企業」が発表された。
- *6 ゼロエミ:ゼロ・エミッション(排出ゼロ)のこと。この場合は「GHG」の排出を指す。
製品・化学物質の安全確保 [重点課題4]
2030年目標 | 2021年度の主な活動 | 対目標 |
---|---|---|
(1)「リスク管理優先物質」の代替化、または使用量削減 |
|
〇 |
(2)動物実験代替法によるすべての安全性評価の実施、当社が新たに開発する化合物に関する安全性データの動物実験代替法での取得 |
|
〇 |
今後の活動・目標
目標の達成に向け、富士フイルムグループ環境戦略「Green Value Climate Strategy」に沿って、環境負荷の少ない生産活動や優れた環境性能を持つ製品・サービスの創出・普及を推進していきます。
また、コア技術として機能性分子や機能性ポリマーの分子設計力とそのエンジニアリング技術をもつ企業として、製品・化学物質の安全確保により一層貢献すべく、新たに化学物質の管理および活用に関わる目標を設定しています。
気候変動をはじめとする環境課題は、国際社会での最重要課題の一つです。富士フイルムグループはこれらの課題にグループの力を結集して取り組み、引き続き目標達成を目指します。
富士フイルムグループの各拠点の取り組み
- FUJIFILM Diosynth Biotechnologies Texas, LLC(アメリカ、テキサス州)(1)
- FUJIFILM Diosynth Biotechnologies U.S.A., Inc.(アメリカ、ノースカロライナ州)(2)
- FUJIFILM Diosynth Biotechnologies UK Limited(イギリス)(3)
- FUJIFILM Diosynth Biotechnologies Denmark ApS(デンマーク)(4)

環境配慮設計・制度
富士フイルムグループでは、すべての製品において調達、製造、輸送、使用、廃棄に至る製品のライフサイクル全体を考慮し、設計段階から気候変動対応(省電力など)、省資源・資源循環(リデュース・リユース・リサイクル)、化学物質のリスク低減、生物多様性保全、などの観点で環境品質目標を設定、開発後に目標達成度を評価する環境配慮設計の仕組みに基づき、環境に配慮した製品開発を行っています。さらに材料や機器単体のみならず、ソフトウエアやソリューションまで拡大し、社会全体での環境負荷低減への貢献に努めています。また、LCA*7による環境負荷の定量的かつ客観的な評価とともに、環境ラベルも活用し、積極的な情報発信を進めています。
- *7 LCA:ライフサイクルアセスメント
富士フイルムグループ「Green Value Products」 認定制度
富士フイルムグループは、2030年度をターゲットとしたCSR計画「サステナブルバリュープラン(SVP)2030」での、「製品・サービスによる社会での環境課題解決への貢献」を進めるにあたり、従来から実施している環境配慮設計の社内規則に、製品の環境価値を明確にし、優れた製品を環境配慮製品として認定する富士フイルムグループ「Green Value Products」認定制度を2018年度より導入しました。
環境ラベル
富士フイルムグループでは、すべての製品についてより高い「環境品質」の実現を目指すとともに、消費者の皆さまに的確な情報をお知らせするため、「環境ラベル」の活用とその公開を積極的に進めています。具体的な規格および環境ラベル取得製品については詳細ページをご覧ください。
各事業セグメントの製品における「環境」の取り組み
富士フイルムグループでは、各事業の製品特性を生かした環境への取り組みを推進しています。
持続可能な用紙調達
富士フイルムビジネスイノベーションは、生態系・生物多様性や地域住民の人権に配慮した調達を行っています。
具体的な活動内容については詳細ページをご覧ください。
従業員教育
富士フイルムグループでは、環境活動を進めるにあたって、環境に関する基礎知識の習得や環境問題などへの理解を深めるため、従業員の環境教育を推進しています。また、「富士フイルムグループ グリーン・ポリシー」の徹底に向けて、eラーニングを活用し、富士フイルムグループ全従業員への環境教育を行っています。
特別顧問
末吉 竹二郎 氏
プロフィール
UNEP FIに関わるほか、中央環境審議会など各種審議会委員、川崎市、鹿児島市の環境アドバイザー、大学非常勤講師、企業の社外役員、財団理事などを務めている。環境と金融、企業の社会的責任などについて講演などで啓発に努める。
SVP2030の主要目標の前倒し達成と続く目標引き上げ等の成果は、富士フイルムグループの素晴らしい企業文化の証です。経営陣を始め貴社グループの皆様方の常日頃のご努力に改めて敬意を表します。
世界では、ネットゼロを自社からサプライチェーンに拡大し取引条件化する流れです。更には、過去の排出分も帳消しにするカーボンマイナスまで登場。自社の事業とは離れた社外の環境対応の支援にも乗り出すなど、事業を通じた企業の公共性発揮が一層求められています。
深刻化する気候危機が生み出したグリーンリカバリーの本質は環境対応を超えた国家や企業の21世紀の生き残り戦略です。ポストコロナ時代には持続可能な社会を目指しての産業構造や事業ポートフォリオの画期的転換が不可避です。
既に、世界レベルの環境対応に取り組んでいる富士フイルムグループがこの大転換の時代をどう乗り切るのか。更なる高みを目指しての健闘を期待しております。