富士フイルムホールディングス

中長期CSR計画

環境

自らの環境負荷を削減すると共に環境課題の解決に貢献する

産業革命以降、私たちの生活が豊かになるとともに、様々な環境課題が発生してきました。気候変動による海水面の上昇や異常気象の発生、陸上や海中資源の枯渇、森林破壊、水の汚染・枯渇、生態系の変化などの問題が、地球規模で深刻化しています。社会の持続的な発展には経済活動と環境課題解決の両立が必須であり、今すぐ様々な対策を講じていかなければなりません。

  1. 気候変動への対応

  2. 資源循環の促進

  3. 脱炭素社会の実現を目指したエネルギー問題への対応

  4. 製品・化学物質の安全確保

富士フイルムグループでは「持続的な発展」を達成するため、グリーン・ポリシーに基づき、世界のすべてのグループ会社が環境課題に取り組んでいます。自社の生産活動により生じる環境負荷低減はもとより、お客様先での使用や廃棄に至るまでの製品ライフサイクル全体を対象とし、CO2排出削減や資源の有効利用を進めています。また、社会全体での環境負荷低減に貢献するために、省エネルギー・省資源効果の高い製品・サービスを提供するとともに、エネルギー・水問題などの環境課題を解決すべく新たな技術開発に取り組んでいます。

富士フイルムグループがSVP2030で環境目標を設定した2017年と比べ、パリ協定の目標「産業革命以降の人為的な気温上昇を2℃未満とする」レベルでも、気候変動が社会に及ぼす影響は甚大となるとの認識が広まり、企業には一層の取り組みが求められています。また、近年注目されている海洋プラスチック問題は、循環型社会への移行に向けた大きな課題の一つであり、事業活動や社会に提供する製品・サービスにおいて、様々な資源の循環の重要性が高まっています。化学物質安全に関しては、化学物質の製造と使用に伴う健康と環境への著しい悪影響を最小化する取り組みをさらに進めるために、2020年以降の国際目標の議論が進んでいます。
加えて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大に伴う経済対策において、気候変動への対応をはじめとする持続可能な社会の構築を目指す「グリーンリカバリー」という考え方が世界的に提唱されています。
このような背景を踏まえ、富士フイルムグループでは、環境課題解決へのさらなる貢献のため、目標の上方修正や新たな目標の設定を行いました。

活動の詳細については、CSR活動報告「環境」をご覧ください。

1.気候変動への対応

2030年目標

自社のCO2排出削減
(1)2030年度までに当社グループによるCO2排出を45%削減(2013年度比)*1
   
30%→45%に上方修正
(2)2030年度までに購入電力の50%を再生可能エネルギーに転換し、2050年度までに当社が使用するエネルギーによるCO2排出をゼロとする
   *2019年1月 目標制定、同年4月 RE100加盟
(3)各生産拠点でCO2排出削減施策1件以上/年を策定する*1

製品・サービスを通じたCO2排出削減貢献
(4)2030年度までに社会でのCO2排出削減累積量90百万トンに貢献*1
   
50百万トン→90百万トンに上方修正
(5)環境配慮認定製品「Green Value Products」を2030年度までに当社売上高比60%をカバー*1

富士フイルムグループは、パリ協定が目指す脱炭素社会実現に向け、新目標を設定しました。製品のライフサイクル全体(原材料の「調達」、製品の「製造」、「輸送」、「使用」、「廃棄」)でのCO2排出削減とともに、製品・サービスの提供を通じた社会でのCO2排出削減への貢献も進めていきます。また「製造」では、省エネ推進・エネルギー利用効率最大化に加え、再生可能エネルギーの導入・活用も含めたエネルギー源の低炭素化にも注力していきます。

製品ライフサイクル全体でのCO2排出量の推移

2.資源循環の促進

2030年目標

自社水投入量削減
(1)2030年度までに当社グループによる水投入量を30%削減(2013年度比)

製品・サービスを通じた水処理への貢献
(2)2030年度までに社会での水処理量35百万トン/年に貢献

廃棄物削減
(3)2030年度までに当社グループによる廃棄物発生量を30%削減(2013年度比)
(4)2030年度までに当社グループ全体のリサイクル指数*210以上*1
(5)2030年度までに当社グループ全体の有価物化指数*31以上*1
(6)2030年度までに当社グループによる資源投入原単位を30%削減(2013年度比)

富士フイルムグループは、創業当初より、水使用量削減・リサイクル使用、銀等資源の回収再利用、複合機・複写機の循環システム確立など、資源循環に積極的に取り組んでいます。3R(リデュース、リユース、リサイクル)を考慮した製品設計、製造段階でのロス削減、使用済み商品の回収・リユース・リサイクル、廃棄物の有価物化・リサイクル活用など、ライフサイクルでの総合的な取り組みにより、資源の有効利用、廃棄物削減を進めています。

水投入量と水処理貢献量
[画像]

* 2030年度には事業活動での環境負荷(投入量)と同等レベルの社会での貢献を目指す

3.脱炭素社会の実現を目指したエネルギー問題への対応

2030年目標

高機能材料により再生可能エネルギーの創出・普及に貢献

富士フイルムグループは、パリ協定が目指す脱炭素社会の実現に向け、「創エネルギー」「蓄エネルギー」「省エネルギー」の3つの観点から高機能材料によるエネルギー関連技術の開発・提供を進め、社会での実装・普及を促すことにより、再生可能エネルギーの創出、普及に貢献していきます。

4.製品・化学物質の安全確保

2030年目標

化学物質リスクの先行管理
(1)2030年度までに「優先リスク管理物質」の代替化または使用量削減*1
(2)2025年度までに当社が新規開発する化学物質の安全性評価を動物実験代替法で実施。2030年度までに当社化学品の安全性データシートに記載する安全性データを動物実験代替法で取得*1

コア技術を基盤とした新規素材・特徴あるプロセスの開発
(3)新規開発素材・プロセスの開発を通じた社会課題解決への貢献*1

サプライチェーンでの適正な化学物質管理への貢献
(4)国際規格に準拠した製品含有化学物質情報の伝達*1
(5)アーティクル情報シートの提供継続*1
(6)化学物質の安全な取り扱いに関わる知見の普及*1

富士フイルムグループは、化学品、高機能材料、機器など幅広い製品を製造しているため、「化学物質の取り扱い管理」及び「製品に含まれる化学物質の管理」の2つの側面から、製品の成り立ちに応じた管理規定を策定し、グループ全体で運用管理を行っています。世界各国・地域の法規制動向も的確に把握し、早期に対応準備を開始する体制も構築し、確実かつ効率的な化学物質管理を推進しています。

  • *1 2020年3月更新または設定
  • *2 リサイクル指数=(再資源化量+有価物化量)÷単純処分量(埋立や熱回収なく焼却され、資源としてまったく再利用されない単純処分物を削減)
  • *3 有価物化指数=有価物化量÷再資源化量(資源として再利用されるが、価値が低く排出にコストを要する「再資源化物」から、対価を得て取引可能な「有価物」への転換)