富士フイルムホールディングス

CSR活動報告│環境

【重点課題4】製品・化学物質の安全確保

化学物質管理

富士フイルムグループでは、危険有害性、法規制の要求事項、管理方針に基づき、特別に管理する化学物質を5つの区分に分類し、法律の要求事項より厳しい管理を実施しています。例えば、ある化学物質に重大な危険有害性が判明した場合は、速やかにその代替物質の検討を始めます。また新たな規制により、ある化学物質がより厳格な管理を要求される候補に指定された場合、法律で使用が認められている場合でも、代替化計画を立案することにしています。さらに、新たにコンピュータシミュレーションを用いた安全性予測手法の開発にも着手しています。富士フイルムグループでは、全世界で使用している化学物質についてこうした考え方を適用し、管理を実行しています。

試薬の安全管理教育

富士フイルム和光純薬は試薬メーカーとして、2000年度から企業、大学、病院、公的研究機関等のお客様向けに「試薬の安全管理教育」研修を開催、これまでに400回以上実施しています。お客様からは、紹介事例が多く、実務に直結した分かりやすい内容であると高い評価をいただいており、一部のお客様には、ご要望により毎年定例で研修を実施しています。今後、より多くのお客様の要望に応えられるように、講師の人数を増強し、富士フイルムグループ内でも同様の教育を定期的に実施することで、社会での化学物質によるリスクの最小化に貢献していきます。

安全性評価における動物実験の代替化

富士フイルムは、製品の開発初期から製品化に至る各段階で、地球環境やヒトの健康に関わる化学物質の安全性評価技術や管理手法の構築に取り組んできました。

2019年6月、富士フイルムが開発した皮膚感作性試験代替法「ADRA」が、OECD(経済協力開発機構)テストガイドライン442Cに収載されました。「ADRA」は、富士フイルムが持つ化学合成力・分子設計力をもとに開発した、検出感度が高い試薬を用いることで、従来方法よりも幅広い化学物質の皮膚感作性を試験できる評価法です。富士フイルムでは、この評価方法が広く用いられることを目指し、2018年9月、富士フイルム和光純薬の技術力を活用し、「ADRAキット」を開発、国内外へ提供を行っています。 さらに「ADRA」の普及とスムーズな導入支援を目的に、2019年6月、富士フイルム和光純薬にて技術セミナーを開催、幅広い業種の企業の参加を得ました。

また、グループ会社のジャパン・ティッシュ・エンジニアリングでは、国内初の再生医療等製品である自家培養表皮などの開発・製造で培った細胞培養技術・ノウハウなどを生かして、ヒトの細胞を培養した研究用ヒト培養組織「ラボサイトシリーズ」を提供しています。「ラボサイトシリーズ」で使用しているヒト3次元培養表皮モデル「エピ・モデル24」を用いた皮膚刺激性試験法と、角膜上皮モデル「角膜モデル24」を用いた眼刺激性試験法は、 既にOECDのテストガイドラインに収載され、動物実験の代替試験法として用いられています。2019年6月には、「エピ・モデル24」を用いた試験方法が、皮膚腐食性試験法としても OECDテストガイドライン(OECD TG431)の基準を満たしていることが追加認定されました。

富士フイルムグループは、今後も新たな評価技術などの開発や普及に積極的に取り組み、実験動物を使用しない化学物質の安全性評価の仕組み作りを進めていきます。

活動トピックス

お取引先との化学物質管理の取り組み

化学物質情報伝達の仕組み「chemSHERPA(ケムシェルパ)」を中国で運用開始

[写真]蘇州富士膠片映像機器有限公司でのお取引先向け説明会の様子

蘇州富士膠片映像機器有限公司でのお取引先向け説明会の様子

富士フイルムは、製品の原材料や部品、部材に含まれる化学物質の基準を「富士フイルムグリーン調達基準」として定め、お取引先と協力して製品に含まれる化学物質の適正な管理を進めているほか、製品の化学物質情報を企業間で授受する新たな仕組み「chemSHERPA」を導入しています。毎年お取引先への説明会を開催しており、2018年度は20回実施しました。さらに2018年6月には中国でも開催、蘇州富士膠片映像機器有限公司にて現地の部品・部材メーカーに対する説明会を行い、必要な化学物質情報の提供を要請するとともに、chemSHERPAの仕組みと効率的に情報授受するITツールの操作方法などを紹介しました。今後は2019年度中に「chemSHERPA」新バージョンへの移行を完了し、さらに他のアジア地域へも拡大していく予定です。

各事業会社の活動

化学物質管理のレベルアップ(富士フイルム)

安全性評価センターについて(富士フイルム)

商品・化学物質の安全確保、持続可能な用紙調達(富士ゼロックス)