富士フイルムホールディングス

CSR活動報告│環境

【重点課題1】気候変動への対応

[図]CO2排出削減目標を2013年度比30%から同45%へ上方修正

気候変動の進行を踏まえ、当社は2019年に再生可能エネルギーの導入目標を設定しましたが、さらに対策を進めるべく、今回、製品ライフサイクルでのCO2排出削減目標を2013年度比30%から同45%へ上方修正しました。本目標はSBT*1のWB2℃(well below 2℃、2℃を十分に下回る)認定を取得しています。当社は、製品ライフサイクル各段階でのエネルギー効率の追求と再生可能エネルギーの導入により、本目標の達成を目指します。

2018年度、富士フイルムグループは製品ライフサイクルでのCO2排出量を対前年8.3%減と大幅に削減しました。目標「2030年度までにCO2排出量30%削減(2013年度基準)」に対し22%削減と、着実にCO2排出削減を進めています。特に、製品ライフサイクルの「製造」ステージでの排出削減には、全社で推進している省エネルギー活動が寄与しています。2018年度は富士フイルム神奈川事業場で、磁気記録テープ塗布工程で用いる乾燥風を効率的に加温させるための熱の再利用や、溶剤揮発量に合わせて送風量をフレキシブルにコントロールする送風設備の導入により、大幅な省エネに繋げることができました。

富士フイルムグループは、2030年に向けたCO2排出削減の取り組みにより、「We Mean Business*2」の気候変動イニシアチブ「SBT(Science Based Target)」の認定を受け、「気候変動対策への責任ある関与」にもコミットしています。

富士フイルムグループの2019年度CO2排出量の実績
[図]富士フイルムグループの2019年度CO2排出量の実績
  • *1 SBT(Science Based Targets):地球の気温上昇を産業革命前に比べ2℃以下に抑えるための科学的根拠に基づいた温室効果ガス削減目標の設定を推進する国際的イニシアチブ
  • *2 We Mean Business:企業や投資家の温暖化対策を推進している国際機関やシンクタンク、NGO等が運営している環境プラットフォーム
[図]CO2排出削減貢献量を50百万トンから90百万トン へと上方修正

当社では、当社の製品やサービスが従来製品や、同機能の他方式に置き換えることで削減できる、社会でのCO2排出削減の目標を設定しています。脱炭素社会実現に向け、製品・サービスによる貢献を高めるべく、2030年までの累積でのCO2排出削減貢献量を50百万トンから90百万トンへと上方修正しました。また、本活動を推進するため、2018年に運用を開始した自社の環境配慮製品「Green Value Products」を認定する制度において、2030年度に認定製品が当社総売上の60%をカバーすることを目指します。

社会でのCO2排出削減に貢献した代表的な製品は下記の通りです。

  • データアーカイブストレージシステム:アーカイブデータをサーバー保存から大容量磁気テープ保存へ転換することによる省エネ

  • 印刷材料の無処理サーマルCTPプレート:現像工程が不要になることによる資源やエネルギーの削減

  • 複合機及びそのソリューション:省エネ性能の向上や再生機の活用、最適なプリント環境を管理するソリューションによる資源やエネルギーの削減

  • 医療ITシステム:業務の効率化による資源やエネルギーの削減

ドキュメントソリューション分野では、最適なプリント環境を提供するオフィス機器の統合管理ビジネスと再生型機ビジネスを統合・進化させ、省エネ・省資源・利用者の生産性向上を実現するソリューション「マネージド・プリント・サービス(MPS)」を展開。オフィスの出力環境の最適化を通じて、地球環境や働き方改革に顕著に貢献したとして「平成30年度地球温暖化防止活動環境大臣表彰(対策技術先進導入部門)」を受賞しました。

その他、CO2排出削減の仕組みの一つ「カーボン・オフセット」*3 を、2016年度から化粧品に適用し、2018年度には無処理CTPプレートにも拡大、2分野でお客様と共にCO2排出量削減に取り組んでいます。

  • *3 カーボン・オフセット:日常生活や経済活動で避けることができないCO2の排出について認識し、できる限り削減努力を行った上で、どうしても減らせなかった分のCO2排出量を、他の場所でのCO2排出削減活動によって得られた削減分で埋め合わせ(オフセット)すること。本取り組みは、経産省が推進する「カーボン・オフセット制度」で認証を取得

再生可能エネルギーの導入

富士フイルムテクノプロダクツ(FFTP)佐野サイトにて、建物の屋上に太陽光発電設備を設置し年間67トンのCO2排出削減に貢献しました。

ベルギーでもFUJIFILM Electronic Materials(Europe)NV及びFUJIFILM Belgium NVが協働して、購入する電力を100%再生可能エネルギー由来電力へと変更しました。

[図]再生可能エネルギー由来電力導入拠点
[写真]FFTP佐野サイト 太陽光発電設備

FFTP佐野サイト 太陽光発電設備

CO2排出削減の取り組みに対する表彰

[写真]富士フイルム九州「エネルギー管理優良工場等表彰『九州経済産業局長賞』

富士フイルム九州「エネルギー管理優良工場等表彰『九州経済産業局長賞』」受賞

富士フイルム九州は、「生産効率改善」「生産条件の改善」「無駄なエネルギーの削減」を省エネ重点実施事項として掲げ、使用エネルギーの削減とCO2排出削減を進めてきました。製造用乾燥蒸気削減や溶剤回収工程の効率化、冷凍機の台数制御など継続的な省エネ施策によりCO2排出を年間9,040トン削減した効果が評価され、2019年度に九州経済産業局より「エネルギー管理優良工場等表彰『九州経済産業局長賞』」を受賞しました。

都市ガスへの燃料転換

[図]約90%はCO2排出の少ない天然ガス由来

富士フイルム和光純薬東京工場では、ボイラー燃料を重油から都市ガスに転換し、年間約300トンのCO2排出削減を達成しました。富士フイルムグループでは2003年以降、自家発電設備やボイラー燃料につき、重油から都市ガスへ積極的に転換を進めており、現在使用している燃料の約90%は、CO2排出の少ない天然ガス由来となっています。

第2回富士フイルムグループ省エネワークショップ

[写真]富士フイルムグループ省エネワークショップ

参加会社:富士フイルム、富士フイルムビジネスイノベーション、富士フイルムビジネスイノベーションマニュファクチュアリング、富士フイルム静岡、富士フイルムエンジニアリング、富士フイルム富山化学

富士フイルムグループはグループ内での省エネ技術の横展開を目的に、グループ各社のエネルギー技術者による省エネワークショップを開催しています。2019年度は7月に富士フイルムビジネスイノベーションマニュファクチュアリング 富山事業所にて開催し、各社の省エネ施策紹介や生産工程のウォークスルーを通じて、参加者全員で新たな省エネ施策を発掘しました。その後ワークショップでの議論内容をもとに、富山事業所にて実証テストなどを行い、低排出型高効率蒸気トラップの導入、排ガス燃焼設備の負荷最適化と熱回収率改善を実現し、596トン/年のCO2排出削減を達成しました。本施策のナレッジは省エネ良施策として、富士フイルムグループ全体に展開しています。

富士フイルムグループ「Green Value Products」認定制度の運用

新たに環境配慮製品の売上目標を設定、社会でのCO2削減に貢献

富士フイルムグループは、持続可能な社会の実現に貢献するための施策として、環境配慮に優れた製品を富士フイルムグループ「Green Value Products」として社内で認定し、社会全体での環境負荷低減への貢献に努めています。2019年度は新たに31製品を認定し、認定製品は累計136製品となりました。また、2030年度までの環境目標に「『Green Value Products』認定製品の割合を全社売上の6割にする」という新たな目標を設定し、さらなる製品・サービスによる環境負荷低減にチャレンジしていきます。

環境・技術各賞を受賞した新聞用完全無処理サーマルCTPプレート
[図]『Green Value Products』認定製品の割合を全社売上の6割にする[ロゴ]Green Value Products

ダイヤモンド認定の新聞用完全無処理サーマルCTPプレート「SUPERIA ZN-II」は、新聞を印刷するための印刷版で、様々な環境配慮施策を組み込んでいます。

従来、新聞印刷版の画像形成に必要だった高アルカリ薬品の現像処理を不要にして、現像処理薬品・水・現像廃液・現像処理電力のゼロ化を達成しました。さらに包装材料の9割を占める「合紙」の除去、耐刷性向上(長寿命化)等の品質向上、主原料であるアルミニウムの「クローズドループ・リサイクルシステム」を従来プレート同様に適用することで、ライフサイクル全体でのCO2排出約70%削減*4と資源循環の促進に貢献しています。

2019年には、新聞印刷現場のニーズと、業界の課題である環境負荷低減に向け、独自技術で貢献したとの評価をいただき、第2回エコプロアワード「経済産業大臣賞」、第19回グリーン・サステイナブル ケミストリー賞「経済産業大臣賞」、第19回一般社団法人近畿化学協会「環境技術賞」を受賞。さらに業界団体からは、日本新聞協会「技術開発奨励賞 特別賞」、日本印刷学会「研究発表奨励賞」も受賞しました。

[図]富士フイルム「Green Value Products」

本制度内容は、客観性、信頼性、透明性を担保するために、国際標準規格ISO14021(自己宣言ラベル)に準拠するとともに、社外有識者として東京都市大学 伊坪先生にご意見をいただき、2018年にスタートしました。

社会でのCO2排出削減に貢献するドキュメントソリューション

テレワークを支援するドキュメントソリューションでは、ゴールド認定の文書管理クラウドサービス「Working Folder」とドキュメントハンドリング・ソフトウェア「DocuWorks」の組み合わせにより、「机上に書類があり、複合機・プリンター、ファクスがある職場環境」をセキュリティを維持したままネットワーク上で構築できます。これにより、場所を選ばず仕事ができ、人・モノの省移動、ペーパーレスによる省資源、事務の効率化による省時間と省エネルギーなど、「気候変動 緩和策」としてCO2排出抑制への効果が期待できます。

同時に、近年の台風大型化や熱中症増加などの気候変動による影響に対し、オフィス分散化を含めた「場所を選ばず仕事ができる環境」の実現は、「気候変動 適応策」であり、非常時の事業継続策としても有効です。

究極の環境負荷削減を実現した新聞用完全無処理サーマルCTPプレートの効果
[図]究極の環境負荷削減を実現した新聞用完全無処理サーマルCTPプレートの効果
  1. 従来、現像工程で使用していた化学薬品、水、電気、廃液のゼロ化(省資源、省エネルギー、水使用量・廃液削減、省工数)(図参照)
  2. プレート裏面の形状を制御する独自技術による表面の傷を防ぐために利用していた保護紙(合紙)レス化(包装材削減)
  3. 主原材料のアルミニウムの「クローズドループリサイクル」(資源循環の促進)
  4. カーボンフットプリント(CFP)*5による顧客への情報提供
  • *4 当社試算
  • *5 CFP:製品のライフサイクルにおけるCO2排出量を把握し表示する制度

省エネ・CO2排出削減の取り組み(富士フイルム富士宮事業場)

省エネ・CO2排出削減の取り組み(富士ゼロックス深圳*6

省エネ・CO2排出削減の取り組み(FUJIFILM Diosynth Biotechnologies U.S.A., Inc.)

省エネ・CO2排出削減の取り組み(FUJIFILM Diosynth Biotechnologies UK Limited)

省エネ・CO2排出削減の取り組み(Biogen (Denmark) Manufacturing ApS)

「完全無処理サーマルCTPプレート」によるCO2排出量削減活動(富士フイルム)

「アスタリフト」でお客さまと取り組むCO2削減活動(富士フイルム)

気候変動への対応(富士フイルムビジネスイノベーション)

  • *6 富士フイルムブランドでの新社名は登記申請中