富士フイルムホールディングス

CSR活動報告│健康

【重点課題1】アンメットメディカルニーズへの対応

当社は、ヘルスケアを重点事業分野の1つと定め、成長戦略を推進しています。なかでもバイオ医療領域では、積極的な設備投資を行っているバイオ医薬品の開発・製造受託事業や、新薬の研究開発に必要なiPS細胞や培地を提供する創薬支援などの再生医療事業で拡大を進めています。

またバイオ医療領域の研究開発強化に向けて、当該領域の基礎研究から生産プロセス開発までを一貫して行う「バイオサイエンス&エンジニアリング研究所」を日本・米国に設立。現在、細胞代謝や遺伝子発現の解析などのバイオインフォマティクス(生命情報科学)、遺伝子編集技術などのセルエンジニアリング、細胞製造の自動化技術、細胞を用いた新たな創薬支援技術などの研究に取り組んでいます。

今後、当社は、社会からのニーズも高く、また将来に亘って市場成長が期待されているバイオ医療領域により注力していきます。バイオ医薬品の開発・製造受託事業への積極投資による成長加速に加え、再生医療の分野では、自社の強みを最大化できる細胞・培地にフォーカスして、創薬支援ビジネスのさらなる強化を図るとともに、市場が立ち上がり大きな成長が見込まれる細胞治療薬において、パートナーと連携した効率的な研究開発や、受託ビジネスで事業拡大を進めていきます。

再生医療の事業展開

年度 内容
2013年 富士フイルムに再生医療研究所(現:バイオサイエンス&テクノロジー開発センター)と再生医療事業推進室(現:再生医療事業部)が発足
2015年 iPS細胞の開発・製造・販売のリーディングカンパニーであるCellular Dynamics International,Inc.(現:FUJIFILM Cellular Dynamics,Inc.(FCDI))をグループ化。創薬支援事業に参入
2017年 再生医療に不可欠な培地を扱う和光純薬工業(現:富士フイルム和光純薬(FFWK))をグループ化
2018年 培地のリーディングカンパニーであるIrvine Scientific Sales Company, Inc(現:FUJIFILM Irvine Scientific, Inc.(FISI))とアイエスジャパン(現:富士フイルム和光純薬(FFWK))をグループ化

有効な治療薬として期待されるバイオ医薬品の普及

FDBでは多品種少量化生産のニーズに応えるため、製造する薬剤の切り替え作業を最小限にできる生産設備の導入を進めている

バイオ医薬品は、副作用が非常に少なく高い効能があり、アンメットメディカルニーズの有効な治療薬として期待されています。富士フイルムグループは、写真フィルム事業で培った生産や品質管理の技術を生かし、バイオ医薬品のCDMO*1事業を推進しています。生産能力増強のために、中核となるFUJIFILM Diosynth Biotechnologies(FDB)の米国や英国の生産拠点に対して、積極的に設備投資を行っているほか、2019年8月には、米バイオ医薬品大手バイオジェン社の製造子会社であるBiogen(Denmark)Manufacturing ApSを買収しました。同社は大量生産設備を生かした生産を行っており、バイオ医薬品をグローバルに提供してきた経験と実績があります。FDBの少量~中量中心の生産設備に同社の大量生産設備を加えることで、生産能力を大幅に増強し、少量から大量までの幅広いニーズに対応可能になりました。さらに技術面でも、バイオ医薬品の開発・製造受託業界では初めて、培養から精製までの高性能・高効率な全工程連続生産システムを開発、2019年秋より本システムを用いたプロセス開発の受託サービスを開始予定です。富士フイルムグループは、バイオ医薬品の生産能力増強や高生産性技術の開発を進めることで、アンメットメディカルニーズを解決する顧客の新薬創出をサポートしていきます。

  • *1 CDMO:バイオ医薬品生産プロセスの開発受託及び製造受託を行う会社・組織。バイオ医薬品生産には高度な生産技術と設備が必要なため、製薬企業などがプロセス開発や製造を委託するケースが世界的に急増している

※ 本ページは、サステナビリティレポートから一部抜粋したものを掲載しています。