富士フイルムグループは、創立90周年を迎えた2024年1月に、社会における存在意義を示すグループパーパス「地球上の笑顔の回数を増やしていく。」を制定しました。
グループパーパスを実現するため、2030年をゴールとしたCSR計画「Sustainable Value Plan2030(グループが持続的に発展していくための経営の根幹をなす計画)」では、重点分野の一つに「健康」を定め、マテリアリティの一つである「健康経営®*の推進」に取り組んでいます。
従業員の健康維持増進を重要な経営課題と位置づけて、健康経営を力強く推進するため、「富士フイルムグループ健康経営宣言」を2019年9月に制定しました。グループパーパスの実現にむけて従業員一人ひとりが心身共に健康で意欲高く働くために、グループ全体の従業員の健康増進に対する取り組みを加速させています。
健康課題から抽出した重点5領域(生活習慣病、喫煙、がん、メンタルヘルス、長時間労働)におけるグループ共通のKPIと2025年度までの中期目標を設定し、PDCAを回すことにより、健康レベルの向上に取り組み、成果を社会に発信していきます。さらに日本国内のみならず、グローバルに健康経営を推進し、活動を通じて培ったグッドプラクティスを横展開することで、グループ全体の健康意識の底上げを図っていきます。
富士フイルムグループの調達活動におけるお取引先については、セルフチェックアンケートを通じて、健康経営に関する取り組みの推進状況や社外評価の有無などを確認させていただいています。また、毎年実施するサプライヤー向け説明会では、当社の健康経営の取り組みについて説明し、お取引先での健康経営の推進についても依頼をしています。
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- 2019年、富士フイルムグループ共通のKPI設定とともに、国内グループ各社で健康経営責任者、健康経営推進責任者、担当者を任命しました。重点5領域におけるグループ共通の数値目標を目指して、グループ一体となった健康増進の取り組みを開始しました。
- イントラネットに健康経営に関する情報を提供する「健康ポータルサイト」を設置したほか、社内報(2023年7月からデジタル版に移行)にて健康経営特集のシリーズ*1を掲載、またポスター掲示で社員の啓発を図りました。
- 2020年2月から、富士フイルム、富士フイルムビジネスイノベーションの全役員・関係会社社長が自らの健康宣言を社内の「健康ポータルサイト」で公開し、経営トップが健康経営をリーディングする富士フイルムグループの全社活動であることを示しています。
- 毎年、富士フイルムグループの国内全従業員(約43,000名)が産業医監修による健康経営eラーニングを受講しており、富士フイルムグループ外の委託会社や国内協力会社にも展開しています。
- 2019年度:健康経営宣言、がんや生活習慣病の基礎知識
- 2020年度:新型コロナウイルス感染症、睡眠と健康
- 2021年度:コロナ禍によるメンタルヘルスケア
- 2022年度:胃がん・大腸がん検診のすすめ
- 2023年度:更年期の理解とセルフケア、メンタルヘルスケア
- 健康経営の従業員の理解度と実践度をはかるために、2019年度から「健康増進への取り組み」を人事評価項目に加え、上司と部下が「健康で意欲高く働くこと」についてコミュニケーションをとる場を設けています。上司・部下ともに「健康経営を理解して、健康への取り組みが十分にできている」と評価する割合が100%(2023年度92.6%)となるように会社がサポートしていきます。
- 従業員のヘルスリテラシーを向上させるため、医療スタッフ(産業医・保健師・看護師など)や、専門医によるセミナー*2・健康コラム*3を、富士フイルムグループの国内全従業員に配信しました。
- *1 2019秋号:健康経営宣言制定、2020新年号:大腸がん、2020春号:禁煙、2020夏号:卒煙者紹介、2020秋号:7つの健康行動、2021新年号:睡眠、2021春号:適切な体重管理、2023新年号:富士フイルムグループが支援する従業員の健康づくり、2023年9月:グループ会社における健康経営の取り組み事例
- *2 2019年度:大腸がん、2020年度:乳がん、2021年度:休肝日、口腔衛生、内視鏡検査、2022年度:禁煙、乳がん、メンタルヘルスセルフケア、2023年度:女性特有疾患、目の健康、睡眠、頭痛・片頭痛
- *3 2021年度:コロナ禍のメンタルケア、2022年度:ウォーキング、熱中症対策、2023年度:世界禁煙デー、熱中症対策、花粉症対策
社内に掲示されたポスター
重点領域 | KPI | 中期目標 2025 年度 |
実績 2021 年度 |
実績 2022 年度 |
実績 2023 年度 |
|
---|---|---|---|---|---|---|
生活習慣病対策 | BMI25 以上 (比率) |
21% | 26.9% | 26.8% | 26.2% | |
HbA1C6.0 以上 (比率) |
6% | 7.7% | 7.9% | 8.6% | ||
喫煙対策 | 喫煙率 | 12% | 19.6% | 18.3% | 17.4% | |
がん対策 | 受 診 率 |
肺 | 100% | 99.4% | 99.3% | 99.3% |
胃 | 100% | 81.9% | 80.0% | 83.1% | ||
内)内視鏡率 | 90%+ | 59.9% | 64.1% | 77.5% | ||
大腸 | 100% | 88.8% | 89.6% | 90.7% | ||
乳 | 90%+ | 77.5% | 80.1% | 84.0% | ||
子宮 | 90%+ | 65.9% | 67.2% | 71.7% |
対象:富士フイルムグループの国内従業員
(胃・大腸がん検診受診率は40歳以上)
- 健康通信簿の展開
- 女性の健康課題への対応
富士フイルムには、グループで国内、海外合わせて約80カ所の生産拠点があり、それぞれの事業に合わせた労働安全衛生活動を進めています。さらに各拠点の良いところを学び、改善するために、相互の情報共有も始めました。日本では、グループ各社の労働安全担当が定期的に集まり、各工場の安全パトロールを行うとともに、重点課題を議論しています。またアメリカでは、地域本社の環境労働安全衛生担当が同国内工場の安全パトロールに赴き、改善点の水平展開を行っています。今後は、労働安全衛生における工場間の連携を強化する場を設けるとともに、富士フイルムビジネスイノベーションにもこの活動を広げていく予定です。
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グループ会社の工場を視察し、指導する米国地域統括本社の担当者
富士フイルムホールディングス株式会社は2024年3月に「健康経営銘柄2024」に選定されました。(4年連続)
健康経営銘柄は、経済産業省と東京証券取引所が共同で、従業員などの健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組む上場企業を選定するものとして、2015年から開始されています。
富士フイルムグループでは、2019年の健康経営宣言制定後、重点領域(生活習慣病、喫煙、がん、メンタルヘルス、長時間労働)を中心に健康増進施策を展開し、健康的な生活習慣の実践をグループ全体で推進するために「7つの健康行動」を設定し、従業員の健康水準の向上に積極的に支援しています。
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富士フイルムグループ28社が「健康経営優良法人2024」に認定されました。
経済産業省が実施する「健康経営優良法人」の認定制度は、日本健康会議が進める健康増進の取り組みをもとに、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業などの法人を認定する制度です。
今回、富士フイルムグループ全体で、健康経営を推進しているなか、グループ各社の取り組みも評価され、認定されました。
- 富士フイルムホールディングス株式会社(8年連続。富士フイルム、富士フイルムビジネスイノベーション含む)
- 富士フイルム和光純薬株式会社
- 富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社
- 富士フイルムシステムサービス株式会社
- 富士フイルムマニュファクチャリング株式会社
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- 富士フイルムビジネスエキスパート株式会社
- 富士フイルムイメージングシステムズ株式会社
- 富士フイルム医療ソリューションズ株式会社
- 富士フイルムグラフィックソリューションズ株式会社
- 富士フイルムソフトウエア株式会社
- 富士フイルム富山化学株式会社
- 富士フイルムマテリアルマニュファクチャリング株式会社
- 富士フイルムサービスクリエイティブ株式会社
- 富士フイルムサービスリンク株式会社
- 富士フイルムメディカルITソリューションズ株式会社
- 富士フイルムグループ健康保険組合
- 富士フイルム生活協同組合
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- 富士フイルム知財情報リサーチ株式会社
- 富士フイルムエンジニアリング株式会社
- 富士フイルムオプティクス株式会社
- 株式会社富士フイルムテクノサービス
- 株式会社富士フイルムヘルスケアラボラトリー
- 株式会社富士フイルムメディアクレスト
- 富士フイルムロジスティックス株式会社
- 富士フイルムプリンティングシステムズ株式会社
- FFGSグラフィックサプライ株式会社
- 富士フイルムイメージングプロテック株式会社
- 株式会社ハイビカム
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「三重とこわか健康経営殿堂入りカンパニー」認定 富士フイルムマニュファクチャリング鈴鹿事業所
富士フイルムホールディングス株式会社、富士フイルム株式会社、富士フイルムビジネスイノベーション株式会社が「スポーツエールカンパニー2024」に認定されました。
「スポーツエールカンパニー」とは、従業員の健康増進のためにスポーツ活動に積極的に取り組んでいる企業に認定する制度です。従来から全社ウォーキングイベント(歩活・健保主催)、富士フイルムグループ7つの健康行動の1つとして「1日30分以上歩く」運動習慣の定着など、会社、事業所全体でスポーツ活動に取り組んできた実績があり、これらの点が評価されました。
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【特集】 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への取り組み
- * 「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。