SDGsでは、「すべての人が、適切な健康増進、予防、治療、機能回復に関するサービスを、支払い可能な費用で受けられる=ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)」の達成を掲げています。今回、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な感染拡大の中で、医療インフラが脆弱な国だけでなく、先進国においても十分な治療を受けられない方々が多くいることが分かってきました。UHCを達成するためには、誰もが保健医療サービスを身近に受けることができる医療インフラの整備、医療の質向上を推進するとともに、疾病の予防や早期発見を重視する、健康を第一に考える社会を作っていく必要があります。
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アンメットメディカルニーズへの対応
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医療サービスへのアクセス向上
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疾病の早期発見への貢献
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健康増進、美への貢献
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健康経営の推進
「健康」は人々にとって最も関心が高く、重要なテーマの一つです。富士フイルムグループは、創業間もない1936年にレントゲンフィルムの製造をスタート、現在はトータルヘルスケアカンパニーを目指し「予防・診断・治療」領域まで幅広く事業を手がけています。当社グループのもつ技術、製品、サービスを結集し、アンメットメディカルニーズへの対応、医療の格差解消、医療従事者の負担軽減、疾病予防や早期発見による医療費高騰抑制の実現を目指していきます。
また、当社グループの持続的発展に欠かせない従業員の健康を守るための施策を適切に実施していきます。
2030年目標
再生医療、細胞治療を含めた新たな治療法の開発と普及
2030年目標
(1)ITを活用した医師や医療従事者の負担軽減
(2)グローバルヘルスに貢献する感染症診断システムの開発・普及
(3)新興国への診断技術指導と健康習慣の普及
(4)医療AI技術を活用した製品・サービスを、2030年度までに世界196のすべての国に導入することで、医療アクセスの向上を実現する
急速な高齢化が進む日本や、人口増加・経済成長が進む新興国では、医療需要が増加し、医師や看護師などの人材不足と過酷な労働環境、医療サービスの地域間格差が課題になっています。また、開発途上国では依然として感染症による死亡率が高く、エイズ、結核、マラリアなどの伝染病根絶はSDGsの目標でもあります。富士フイルムグループは、「予防・早期診断・早期治療」の実現のために、これまで培った独自の技術や医療IT分野で蓄積された大量のデータとAI技術を融合させることで、医療環境の整備、医療従事者への貢献を目指します。
2030年目標
簡単に検査できる健診サービスの普及による疾病の早期発見
健康を維持していく上では、自覚のない疾病の早期発見や未病対策が極めて重要ですが、健康診断の必要性が認識されている日本でも、定期的に健診を受けている人は対象人数全体の2/3程度*1 です。富士フイルムグループは、簡単に自分の健康を検査できるシステムを広く社会に普及させることで、疾病の早期発見、早期治療に貢献します。
2030年目標
(1)健康寿命を延ばす取り組みの推進
(2)輝く女性支援の推進
少子高齢化が進むなか、医療費の抑制や介護問題解決のために健康寿命*2 の延伸は大きな社会問題です。同時に、高齢者も社会を支える役割を担い続けることが求められています。富士フイルムグループは、サラシアやアスタキサンチンを採り入れ、独自の技術を活用したエイジングケア化粧品や機能性表示食品により、「年を重ねるほど楽しくなる人生へ。いくつになっても笑いあえる社会へ。」の実現に挑戦していきます。
2030年目標
従業員の活力を維持する健康経営の推進
富士フイルムグループは、ビジョンとして掲げる「新たな価値を創造するリーディングカンパニーであり続ける」を実現するには、活力ある風土と、従業員が安心して心身ともに健康で生き生きと働くことができる環境が不可欠と考え、生活習慣病・禁煙対策、がん対策、メンタルヘルス対策、長時間労働対策を重点領域として、従業員の健康維持増進に向けた活動を推進しています。
また労働安全衛生については、「労働安全は事業活動の原点である」という考えのもと、安全最優先で従業員の労働安全衛生の確保に努め、関連諸法令の順守徹底を継続します。