現代社会では、通信の高速・大容量化や社会インフラの老朽化など、次々と新たな課題が生じています。富士フイルムグループは変化する社会において、新たな課題を解決するための技術を開発・普及させることで、ICT社会の発展に不可欠な半導体材料の提供、社会インフラ整備など、安全・安心な社会づくりに貢献します。
半導体は、5G/6Gによる通信の高速・大容量化、自動運転の拡大、AIやメタバースの普及などを背景に、さらなる需要拡大と高性能化が見込まれています。当社の半導体材料事業は、フォトレジスト*1やフォトリソ周辺材料*2、CMPスラリー*3、ポストCMPクリーナー*4、薄膜形成材*5、ポリイミド*6、高純度プロセスケミカル*7といった半導体の製造に不可欠な材料や、スマートフォン・デジタルカメラ・車載カメラなどに搭載されるイメージセンサー用カラーフィルター材料などを提供しており、豊富な製品ラインアップを強みとしています。
- *1 半導体製造の工程で、回路パターンの描画を行う際にウエハー上に塗布する材料。
- *2 半導体製造のフォトリソ工程で使用する現像液やクリーナーなど。
- *3 硬さの異なる配線や絶縁膜が混在する半導体表面を均一に平坦化する研磨剤。CMPは、Chemical Mechanical Polishing(化学的機械研磨)の略。
- *4 CMPスラリーによる研磨後に、金属表面を保護しながら、粒子、微量金属および有機残留物を洗浄するクリーナー。
- *5 低誘電率の絶縁膜を形成するための材料。
- *6 高い耐熱性や絶縁性を持つ材料。半導体の保護膜や再配線層の形成に使用される。
- *7 洗浄・乾燥工程に使われる高純度薬品。半導体製造の洗浄・乾燥工程で異物を除去したり、エッチング工程にて金属や油脂などを取り除くために使用する化学薬品。
日本では現在、高度経済成長期に集中的に建設された後、50年近く経った橋やトンネルなどの社会インフラの老朽化が進んでおり、点検・補修すべき対象物が増大しています。
これらの問題に対応し、富士フイルムグループは社会インフラ画像診断サービス「ひびみっけ」を2018年に提供開始しました。本サービスでは、当社独自の画像処理技術やAIを活用して、橋梁やトンネルなどのコンクリート構造物のひび割れを自動検出し、点検にかかる作業時間を大幅に短縮することが可能です。点検業務を効率化できるサービスとして注目され、既に1,500社以上に導入いただいています(2024年12月時点)。