富士フイルムホールディングス

CSR活動報告│働き方

【重点課題1】働きがいにつながる環境づくり

富士フイルムグループは、自社の働き方変革をベースに、お客様の働き方変革につながるソリューション・サービスを提供することで、社会のイノベーション創出への貢献を目指しています。そのためにも、まずは自社の多様な従業員一人ひとりが自分の強みを持ち、能力を最大限に発揮し、社内外のステークホルダーと連携しながら、効率的な働き方で成果を出すことを重視し、グループ全体での環境整備や、教育・研修にも力を入れています。

2018年度、自社の働き方変革については、富士フイルム・富士ゼロックスともに、所定外労働時間のより厳格な管理や、モバイルPCの全社配布などにより、効率的な働き方の推進に取り組みました。また、各職場での効果的なデータ利活用による業務効率化のため、ICT人材研修の拡充や(富士フイルム)、リモートワークや在宅勤務など、場所を選ばない働き方をより推進するための制度改定(富士ゼロックス)などを行いました。

一方、お客様の働き方変革を支援する取り組みに関しては、2018年に発表した価値提供戦略「Smart Work Innovation」に基づき、様々なソリューション・サービスの提供を加速しています。

また2019年4月17日、横浜市と富士ゼロックスが「イノベーション都市・横浜」の実現に向けた連携協定を締結しました。AIなどの最先端技術を活用した「働き方改革」の促進に向けた実証実験、「イノベーション都市・横浜」の実現に向けたイノベーション創出の環境づくりなどを行う予定です。富士ゼロックスは、みなとみらい21地区に研究開発拠点を設立して以来、他社との共創による新しい技術の創出などを進めており、横浜市とも様々な連携を行ってきました。今後も働き方変革に伴う社会課題解決のために、様々な企業・団体と積極的に連携していきます。

働き方変革を支援するソリューション・サービス①

面倒な書類のワークフローを自動化し、買掛金管理業務の効率化を支援

働く人の創造性・生産性向上は「働き方改革」で目指すものの一つであり、企業は様々な方法で間接部門の業務効率化に注力しています。しかし、実態はそう簡単ではありません。その典型ともいえる買掛金の管理業務は、仕入先ごとに請求書のフォーマットが異なり、自動化には不向きとされてきました。さらに、複数の決裁者に承認を得るために書類を持ちまわる、ファイリングするといった付随業務にも時間を取られる実態がありました。 

このような課題に対応するのが、富士ゼロックスの「買掛金管理自動化支援ソリューション」です。AIによる機械学習を行うことで、あらゆる形式の請求書からOCR*1 によるデータを自動抽出。さらに処理業務を繰り返す中で学習を重ね、情報抽出の精度を向上し、データの分析も容易にします。これまで手作業で行っていた煩雑な請求書の処理業務を改善するほか、担当者の申請から上司の承認までのリードタイムを短縮、未払金や処理すべき請求書処理などの見える化を実現し、ガバナンス強化も支援します。

このサービスは、富士ゼロックスがこれまで培ってきた文書管理に関するノウハウと、買掛金管理業務領域に先進的なサービスを提供するエスカー社*2 の買掛金管理業務サービス「Esker on Demand」を合わせることで実現しました。ニュージーランドを皮切りに、日本への導入、またオーストラリア、シンガポール、香港へも順次展開予定です。2016年から販売している富士ゼロックスニュージーランドでは、すでに政府や、建設、教育、小売、農業、製造業といった様々な業種のお客様に導入しており、ある企業における検証では、買掛金請求書の処理速度が手入力に比べ65%向上したり、手入力に比べ1人当たりの処理できる請求書の枚数が5.3倍増えたとの結果も得られています。

富士ゼロックスは、「誰もが『働きがい』を得られる社会への変革」を2030年までに具現化することを目指し、2016年から”Smart Work Innovation”を掲げ、働き方変革を支援する様々なソリューション・サービスの提供を行ってきました。2018年からは他社との提携も積極的に進め、企業のワークフローを効率化し、生産性を上げられるようなサービスを増やしています。今後も働く人の生産性向上と創造性発揮を支援するソリューション・サービスの提供により、組織と社会のイノベーション創出に貢献していきます。

*1 OCR:手書きや印刷された文字を、イメージスキャナやデジタルカメラによって読みとり、コンピュータが利用できるデジタルの文字コードに変換する技術

*2 エスカー社:クラウド型の文書処理自動化ソフトウェア領域における先進的なグローバル企業で、同社のソリューションは世界6,000社を超える企業で利用されている。仏リヨンと、米ウィスコンシン州マディソンに本社を置き、北米、中南米、欧州、アジア太平洋地域にて事業を展開

[図]業務効率を向上させる6つのポイント

働き方変革を支援するソリューション・サービス②

多様な働き方を支える快適・安全・簡単なセキュリティ網を提供

働き方改革推進、そしてIT利活用の急速な普及と技術の進化に伴い、テレワークなどの時間や場所に縛られない多様な働き方が拡大しています。その一方で、サイバー攻撃・犯罪やWebアクセスによる脅威は、公的機関や大手企業はもとより、中小企業にも拡大しています。しかし、情報セキュリティ専任部門がある大企業と違い、中小企業においては、IT人材の不足や導入後の運用におけるノウハウ不足、コストの最適化などが課題となり、情報セキュリティリスクは一層深刻になっています。

富士ゼロックスは、日本の労働者の約70%が働く中小企業の切実な課題を解決するために、2002年から、セキュアなネットワーク環境を簡易に導入し、情報セキュリティを定期的にアップデートする中小企業向けのサービス「beat(ビート)*1 」の販売を開始しました。本サービスは設置から運用、管理まで富士ゼロックスがワンストップでサポートし、日本全国に張り巡らす営業網を介して全国均質のサービスを提供している点が特徴で、全国各地に累計7万台を提供しています。さらに2019年には、お客様の安全なクラウド環境活用を支援するオプションサービス「beat クラウド接続サービス」もリリースし、お客様が従来よりも安全にAmazon Web Services(AWS)*2を活用できる環境を提供しています。

近年では、セキュリティリスクが多方面に拡大し、大企業でもその対応のための投資や工数の確保が課題となっています。そのため、次のステージとして、beatで培った価値を中小企業に加え大企業でも活かせるように、新しいサービスSmart Cyber Security を立ち上げました。安心、安全なネットワークをより多くのお客様に提供できるように、さらにサービスを強化することで、幅広い企業での多様な働き方を支援していきます。

  • *1 beat:オフィス環境におけるセキュリティ対策と通信ネットワーク機能をトータルにサポートするセキュア・ネットワーク・アウトソーシングサービス。通信ネットワークの構築・運用・管理において発生する様々な業務を、富士ゼロックスに包括的にアウトソーシング可能な仕組みが特徴。セキュリティ機器「beat-box」の設置により様々なセキュリティ対策を提供するほか、「beat-NOC(Network Operation Center)」による回線状況の24時間365日リモート監視に対応、さらに「beatコンタクトセンター」のサポートによりネットワーク障害発生時にも迅速な対応が可能
  • *2 Amazon Web Services:Amazon.comにより提供されているクラウドコンピューティングサービス
【beatのイメージ図】

データ利活用による業務効率化

デジタルデータ活用のための人材育成「データサイエンティスト研修」

「WSI働き方の変革×ITツールフェスタ」の様子

ITツールを活用した働き方変革を促進。写真は「WSI働き方の変革×ITツールフェスタ」の様子

富士フイルムでは、働き方変革の一環として、効果的なデータ利活用による業務効率化を推進、そのためのデータを活用できる人材の育成を進めています。2017年にデジタル変革委員会を発足、2018年2月からは中核人材の育成を目的に、最新のBIツール*1の操作や活用例などを学ぶ「実践型データサイエンティスト入門研修」、さらに具体的な成果につなげる「データサイエンティスト実務フォローコース」を開講しました。これまでに「入門研修」は63部門・400名以上が受講、「実務フォローコース」には38部門・100名以上が参加しており、生産性向上やコストダウン等の好事例も出始めています。また2019年3月には、こうした活動の発表の場として「データサイエンスフェスタ」を開催。グループ会社含め約500名が参加し、関心の高さがうかがえました。

現在は富士フイルムを中心に研修を行っていますが、今後はグループ全体でICTを活用しながら、製品・サービスの創出、業務のレベルアップを図っていくための教育体制を整えていく予定です。

*1 BIツール:企業に蓄積された大量のデータを集めて分析し、迅速な意思決定を助けるためのツール。Tableau(データ視覚化ツール)、KH Coder(計量テキスト分析・テキストマイニングソフトウエア)など

各事業会社の活動

「働き方」への貢献(富士ゼロックス)

お客様に対する取り組み事例(富士ゼロックス)

労働安全衛生の取り組み(富士フイルム)

労働安全・健康保持増進(富士ゼロックス)