富士フイルムホールディングス

CSR活動報告│働き方

【重点課題2】多様な人材の育成と活用

富士フイルムグループは、様々な属性や価値観の違いにとらわれず、従業員が互いの人格と個性を尊重し、受け入れ刺激しあうことで、新たな価値を生み出し、豊かな社会づくりに貢献できると考え、多様な人材が活躍しやすい、強い組織であることを目指しています。2018年度は、出産・育児や介護などライフステージの変化に応じて柔軟に働ける制度の維持・拡充や、障害をもつ従業員の定着化策、女性従業員を対象としたワークショップ型の研修など、様々な取り組みの結果、障がい者雇用率、女性管理職比率はともに向上しました。またワールドワイドな人材の育成や最適配置を目的とした取り組みも継続して実施しています。

富士フイルムグループでは、「グローバルで勝ち抜ける強い個の育成」を実現していくため、①語学力を含めたグローバルビジネス力の強化、②海外経験の強化や計画的育成ローテーション、③海外現法の優秀ローカル社員の育成とさらなる活用・登用等、の施策を実施しています。2018年度は海外現地法人の基幹ポスト(Global Executive Position)を特定し、各地域での育成プログラム(Regional Leadership Program)を通じて後継者育成に取り組みました。さらに海外ローカル人材や留学生の日本への受け入れ、外国籍社員の採用拡大などを実施し、グローバル経営を推進するための人事政策を強化しています。また、将来の経営を担う基幹人材を育成するために、層別の幹部候補選抜研修を実施しています。

多様な価値観を持った社員が活躍しつづけられるよう、セミナー等を通じて啓発を図るとともに、育児、介護などのライフステージの変化に対応できるよう、在宅勤務や有給休暇の取得が可能な制度の導入を進めています。特に女性活躍に向けた取り組みについては、中核となる人材をOJT・OFF-JTを通じて育成するとともに、多面的な支援策を実施しています。富士フイルムでは、2014年より取り組んでいるWork Style Innovation活動にて、「多様な社員の能力発揮」の観点から、女性の管理職比率拡大のために「再入社制度」「在宅勤務制度」「時間単位有休制度」など多くの支援策を導入しているほか、「女性向けキャリアデザイン研修」「育児復職支援プログラム」「仕事と育児の両立支援セミナー」の開催等、女性の活躍を支援する仕組みを充実させています。富士フイルムビジネスイノベーションでも同様の制度を整備しているほか、「女性活躍推進法に基づく行動計画」のもと、様々な施策を進めています。2018年度は女性の営業職・カストマーエンジニア職を対象に研修を実施し、キャリアイメージ形成の支援や男性社員が多数を占める職場での課題共有や施策検討を行いました。マネジャーに対しては「育児両立支援マネジャー向けガイド」を発行し、メンバーの妊娠・出産・育児の各フェーズでのコミュニケーション・制度・評価について、適切なマネジメントを行えるようにしています。

またダイバーシティの一環として、障がい者雇用については中長期的な目標を掲げて推進しています。2018年度は富士フイルムホールディングスグループ算定特例のもと、グループ内の連携を強化した結果、富士フイルムグループ全体の雇用率は2.35%となりました。今後も障害の有無に関わらず、すべての人が働きやすい職場の実現を目指していきます。

優秀な外国人社員の登用

富士フイルムグループの基幹ポストにおける外国人の比率
2030年度目標 35% 2019年度実績 26%

基幹人材研修での当社役員に向けた課題発表(左)、同研修でプレゼンテーションを行うMartin Meeson氏(現 FUJIFILM Diosynth Biotechnologies U.S.A., Inc.のCEO)(右)

基幹人材研修での当社役員に向けた課題発表(左)、同研修でプレゼンテーションを行うMartin Meeson氏(現 FUJIFILM Diosynth Biotechnologies U.S.A., Inc.のCEO)(右)

富士フイルムグループでは、それぞれの市場において当社の事業をリードするにふさわしい人材を登用していくために、当社の基幹ポストを海外基幹ポジション(Global Executive Position)と地域基幹ポジション(Regional Executive Position)に分けて明確にしています。それぞれのポジションに対しては、国籍によらず候補となる人材を特定し、計画的な育成を進めています。

海外基幹ポジションのメンバーを対象に実施する基幹人材研修(Global Leadership Seminar)では、受講者が世界中から富士フイルムグループの本社に集まり、基幹人材としての視座を高めるとともに、グローバルでの課題形成力を強化します。2011年からこれまでに6回の基幹人材研修を実施し、計52名が受講しました。うち、2017年に受講したMartin Meeson氏が2020年4月、バイオ医薬品の開発・製造受託会社であるFUJIFILM Diosynth Biotechnologies U.S.A., Inc.のCEOに就任する等、優秀な社員のグローバルな登用につなげています。

女性の活躍促進

富士フイルムグループの役職者に占める女性の比率
2030年度目標 25% 2019年度実績 14.5%

国内富士フイルムグループの役職者に占める女性の比率
2030年度目標 15% 2019年度実績 5.4%

仕事と育児の両立支援セミナーで意見交換する産休・育休からの復職者と上長(左)、女性健康セミナーでメッセージを発信した人事担当役員(右)

仕事と育児の両立支援セミナーで意見交換する産休・育休からの復職者と上長(左)、女性健康セミナーでメッセージを発信した人事担当役員(右)

富士フイルムグループでは、優秀な女性社員の役職への登用を促進するとともに、女性のキャリア形成や産休・育休等のライフステージに応じた様々な支援を実施しています。

2019年度も、グループ外の企業4社と合同で課題の共有や対策の検討を行う「女性営業職向け異業種交流会」、自社の女性サービス技術者の活躍促進を目的とした「女性カストマーエンジニア フォーラム研修」等を開催し、男性社員が多数を占める職場でのキャリア形成を支援しました。また、2020年7月から9月にかけて「仕事と育児の両立支援セミナー」を計4回開催しました。このセミナーには産休・育休からの復職者27名、その上長25名の計52名が参加し、産休・育休からの円滑な復帰とキャリア支援に取り組みました。

さらに2019年10月には、女性が健康で生き生きと働き続けられるよう、富士フイルムグループ従業員を対象に「『100年を生きる時代』の女性健康セミナー」を東京・横浜で開催し、男女合わせて計174名が参加しました。女性医師による講演に加えて当社の人事担当役員も登壇し、自身の経験を踏まえて「生き生きと働き、豊かな人生を送るため、一緒に健康づくりに取り組んでいきましょう」とメッセージを送りました。

法定以上の障がい者雇用の維持

グループ算定特例による障がい者雇用率(日本国内)
2030年度目標 2.35%*1 2019年度実績 2.42%

富士フイルムグループでは、国内で2016年度から継続して法定以上の障がい者雇用率を達成しています。法定雇用率は2021年4月までに2.3%に引き上げられる見込みですが、今後も法定以上の雇用率の維持を目標とします。

当社は、障がい者の雇用と職務を創出するために、知的/精神障がい者を中心とする職場を新たに3事業所に開設しました。また、手話通訳や音声認識ソフトの利用による聴覚障がいのある社員とのコミュニケーションの支援や、障がい者職業生活指導員による個別相談窓口の設置等、障がい者が安心して働ける環境の整備に取り組んでいます。

雇用以外の取り組みでは、養護学校や地域支援機関と連携して、障がい者の社会的自立を支援しています。2019年度は富士フイルムでの職場実習に7名の実習生を受け入れたほか、障がい者の方々が作ったパンやお菓子を販売する場を当社の事業所内に設ける等の活動を実施しました。

  • *1 目標は法定の障がい者雇用率の動向を踏まえて見直しを検討中

育児離職率、介護離職率ゼロの実現

育児休職からの復帰3年後の定着率(日本国内)
2030年度目標 100% 2019年度実績 92.0%*2

介護休職からの復帰3年後の定着率
2030年度目標 100% 2019年度実績 100%*2

育児休暇を取得した男性社員(左)、育児休暇中の様子(右)

育児休暇を取得した男性社員(左)、育児休暇中の様子(右)

育児に関しては、育児休職から復職した社員とその上長を対象に、円滑な復職を促進・支援するセミナーを開催しました。また、男性による育児休暇の取得も促進しています。具体的には、各従業員の有給休暇の積み立ては2年で失効しますが、期限が到来した休暇日数等を活用し、配偶者の育児負担のピークに合わせて数週から数カ月の短・中期間で育児休暇の取得を推奨しました。こうした取り組みの結果、2019年度の育児休暇取得者数は、富士フイルムと富士フイルムビジネスイノベーション合計で前年度より89名多い348名となりました。

介護に関しては、介護離職の防止に向けた専門家によるセミナーの開催に加えて、介護相談窓口の充実を図りました。さらに、育児・介護、妊婦を対象とした在宅勤務制度を運用し、ライフイベントと仕事の両立に向けた環境整備にも取り組んでいます。

  • *2 富士フイルム(株)実績

働く環境の変革

生産性の高い働き方を支援するワークスペースの提供

人が集まり自由な発想を生み出す「PARK」、集中して効率的に仕事する「PIT」、ソロワークやサテライトにも使える「PORT」の3つのエリアに分かれている

富士フイルムグループでは、オフィスの設備改善による働く環境の向上に取り組んでいます。富士フイルムホールディングス、富士フイルム、富士フイルムビジネスイノベーションの本社・東京ミッドタウンでは、2018年5月に食堂の一部とカフェテリアをリニューアルオープンし、「伝える・実行する・読む・構想する」を促進する場として、3つのエリアに分かれたワークスペースを設置しました。その他にも、迅速なコミュニケーションを実現する仕掛け(ハイデスク・ハイチェア)や一部部署でのフリーアドレスの導入、周りを気にせず電話できるボックスやブースなど、新しい働き方に向けたトライアルを実施しています。また2019年8月以降、各フロアの中央スペースを順次改装、フロアごとに特徴を持たせ、従業員が用途に応じて自由に使えるスペースを拡充しています。一人ひとりが目的に合った場所を主体的に選べる環境を提供することで、より効率的・創造的な働き方につながると考えており、現状の結果を踏まえて、他のオフィスへも展開していく予定です。

人材育成の取り組み(富士フイルム)

ダイバーシティ(富士フイルム)

人材育成およびダイバーシティ&インクルージョン(富士フイルムビジネスイノベーション)

従業員への2018年度の主な取り組み(富士フイルムビジネスイノベーション)