富士フイルムは1934年の創業以来、「より良い映像情報を提供し、社会に貢献してゆくこと」を目指し、写真フィルムをはじめとする感光材料、関連機器、サービス分野を中心に活動してきました。また、デジタルによる新たな映像表現技術を確立するとともに、印刷や医療といった社会になくてはならない分野にも積極的に取り組んできました。多くの人たちに支えられてきた歩みを踏まえ、これからも「人々の豊かな生活のために富士フイルムにできること」を追求していきます。
1933年、写真感光材料づくりに不可欠な“良質の水ときれいな空気”に恵まれた神奈川県南足柄村に新工場を建設。翌1934年に、富士写真フイルム株式会社が誕生しました。
富士フイルムでは創業当初から社員の教育、福利厚生に力を入れ、1939年には足柄工場と小田原工場に青年学校を開校。1942年には診療所を開設し、社員やその家族の診療を行うほか、工場の衛生管理に努めました。
天然色(カラー)写真の研究の成果が実を結び、バイパック乾板方式と転染印画法が完成。業界に大反響を巻き起こすとともに、その後のカラー写真の基礎をつくりました。
“あかるく楽しい写真”というキャッチフレーズで「富士フォトコンテスト」を開催。わが国の写真コンテスト史上最高の応募者数を記録し、戦後の困難な生活の中で明るい話題となりました。
富士フイルム製外型反転カラーフィルムを使った国内初の総天然色(カラー)映画「カルメン故郷に帰る」が完成。多くの人に新たな娯楽として親しまれ、日本映画史に輝かしい1ページを飾りました。
国産第1号の電子計算機「FUJIC」完成。レンズ開発の計算に使用されたほか、気象庁や各大学からの計算依頼にもこたえ、日本の科学分野に貢献しました。
プロ、アマチュア問わず優れた作品を発表する場として、フジフイルム スクエアの前身となる富士フォトサロンを銀座に開館しました。
東京オリンピック開催。写真速報を行ったり、外国の報道関係者のために臨時の現像所を設けるなど、オリンピックという一大イベントの記録と報道に大きな役割を果たしました。
PHOTO EXPOで、新8mmシステム「シングル‐8」デビュー。画期的なホームムービーシステムとして、8mm映画の楽しさを広めました。
国産初のフロッピーディスク「富士フイルムフロッピーディスクFD3000」を発売。需要が急増したフロッピーディスクの低価格での供給に対応しました。
世界に先駆けて医療診断用X線画像のデジタル化に成功。(翌年にはX線画像読取装置「FCR」を発売。)診断精度の向上と被ばく量の低減により、患者の負担を減らすことができ、医療分野の発展に貢献しました。
東京ディズニーランド開園。富士フイルムはオフィシャルスポンサーとして、日本でのエンターテインメント産業の発展に貢献しました。
創立50周年記念事業として10億円を拠出し、日本初の民間企業による自然保護をテーマとした公益信託、「公益信託富士フイルム・グリーンファンド(FGF)」を設立。現在も、自然環境の保全・育成に関する活動や研究に対して助成を行っています。
“誰でも簡単に写真を楽しんでほしい”という想いを具現化し、世界初のレンズ付フィルム「写ルンです」発売。新しいライフスタイル提案型商品として、写真文化の大衆化に貢献しました。
画像をメモリーカードに記録する世界初のデジタルカメラ「FUJIX DS-1P」発表。業界に多大な影響を与えるとともに、その後のデジタルカメラのモデルケースとなりました。
国立国会図書館の資料(図書16万冊分)などを丸善と富士フイルムが共同でマイクロフィルム化。当社のマイクロフィルムが歴史上重要な資料保存に役立った。
「写ルンです」リサイクルセンター開設。「写ルンです」の本格的なリユース・リサイクルに乗り出しました。
リサイクル方法を考慮して設計開発した「写ルンですエコノショット」に合わせて、“「写ルンです」リユース・リサイクル自動化システム”を稼働。環境活動において大きな前進となりました。
既成概念を覆す「回収から始まり、分解・検査、再生産」という生産システムを取り入れた「写ルンです」循環生産自動化工場稼働開始。環境負荷の大幅低減に成功しました。
世界初のカードサイズフィルムを採用したインスタント写真システム “チェキ” 「instax mini 10」を発売。画質と携帯性を飛躍させ、インスタント写真の魅力を一層拡大。撮ったその場で楽しむ写真の楽しみ方を市場に提案し、若者を中心に広がっていきました。
基本構造レベルから一新したCCDイメージセンサー「スーパーCCDハニカム」開発。デジタルカメラの高画質化を実現しました。その後に医療機器である電子内視鏡スコープにも応用し、診断画像の画質向上により医療分野の発展にも貢献しています。
切手並に小さく大容量の新型デジタルカメラ用記録メディア「xDPictureCard」を開発。ユーザーからの要望が非常に高かった「より小さなデジタルカメラ」開発の可能性を拡げました。
デジタルカメラで撮った画像をプリントしたいというご要望におこたえし、手軽に高品質プリントができる「お店プリント」を積極的に提案。カメラ付き携帯電話で撮影した画像のプリントにも対応し、写真の価値をあらためて広めました。
新開発のフジノン超薄型光学式3.4倍ズームレンズを搭載した「FinePixF440・F450」発売。片手に収まるミニサイズに高機能を凝縮させ、デジタルカメラにまた新たな撮影スタイルを提案しました。
写真の持つ魅力をよりたくさんの方々に感じていただくために、「“PHOTO IS” 10,000人の写真展」の開催をスタート。プロアマ問わず、誰でも気軽に参加できる写真展で、全国から届いた応募作品13,521点を、全国7会場で展示しました。
東京ミッドタウン(六本木)への本社移転と同時に、2007年3月に複合型ショールーム「FUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア)」を開館。前身の「富士フォトサロン」から改名した「富士フイルムフォトサロン」に加え、写真の歴史とカメラの進化を学べる「写真歴史博物館」などを併設しました。
「富士フイルムホールディングス サステナビリティレポート2008」の表紙および中扉に徳川美術館の協力で「国宝 源氏物語絵巻」4点を掲載し、レポートの読者の皆さまに日本の文化・芸術をお伝えしました。また「富士フイルムホールディングス サステナビリティレポート2009」の表紙および中扉には、国立公文書館の協力で、「博物図第2図」および「重要文化財 庶物類纂・庶物類纂図翼」を掲載しています。写真や印刷物を通じて、文化・芸術を記録保存して、後世に伝えることは当社の本業を通じた社会貢献活動のひとつです。
富士フイルムは、東日本大震災で津波により水と泥で汚れた写真やアルバムを救う「写真救済プロジェクト」を4月に立ち上げ、被災した写真の救済に取り組む活動を支援しました。
1200万画素 APS-CサイズCMOSセンサーを搭載した高級コンパクトデジタルカメラ「FinePix X100」発売。
操作系に往年のフィルムカメラを彷彿させるダイヤル式を採用するなど、クラシックな外観に最新の技術を詰め込んだ製品コンセプトが世界中から高い評価をいただきました。
レンズ交換式ミラーレスカメラ「Xシリーズ」の初号機である「FUJIFILM X-Pro1」発売。
富士フイルム独自開発の「X-Trans CMOSセンサー」を初搭載し、解像力を大幅に高めることに成功しました。X-Pro1は富士フイルムならではの画像設計技術「フィルムシミュレーション」と相まって、APS-Cサイズセンサー搭載カメラの常識を超える高画質を実現し、多くの写真家から賞賛を持って迎えられました。
全国各地で開催している「“PHOTO IS” 10,000人の写真展」は、ご応募いただいたすべての方の写真が飾られる、日本最大級の参加型写真展。誰でも気軽に、自分のお気に入りの写真で参加できるイベントとして、毎年たくさんの方々にご参加いただいています。
第8回目を迎える2013年は規模を拡大し、「“PHOTO IS” 想いをつなぐ。30,000人の写真展」として開催。全国28都市の会場で、写真の魅力を伝えました。
スマートフォンの急速な普及に伴い、撮った画像を無線LANで送信するだけで、その場で簡単・スピーディにチェキプリントを楽しめる “スマホdeチェキ” 「instax SHARE SP-1」発売。新たなライフスタイルに合わせ「撮る・残す・飾る・そして贈る」という写真本来の価値を提案し伝え続けていきます。
創立80周年を機に、幕末・明治から現代に至る日本の写真史を飾る101人の写真家選りすぐりの1枚を、「フジフイルム・フォトコレクション」として収蔵。これらはフジフイルム スクエアをはじめ全国の美術館でも展示され、その芸術的価値をお伝えするとともに、日本写真史の体系的な理解にお役立ていただいています。
直営写真店「WONDER PHOTO SHOP(ワンダーフォトショップ)」を2014年2月に東京・原宿にオープン。翌年2015年からは世界中に展開を進めています。
「スマホ時代」ならではの、写真の新しい楽しみ方を発見・体験いただける製品・サービスの提供を通じて、「写真のチカラ」を感じていただき、お客さまのフォトライフをサポートしています。
35mm判フルサイズの約1.7倍の面積を持つ「5140万画素ラージフォーマットセンサー」を搭載したレンズ交換式ミラーレス機「FUJIFILM GFX50S」発売。
1億画素以上の超高画素センサーに対応可能なGFレンズシステムにより、広いダイナミックレンジと超高精細な描写力で被写体の立体感、質感を余すことなく再現しました。また、カメラシステムのサイズ、重量、価格ともに同じセンサーを搭載している他社機と比較して半分以下に抑え、ラージフォーマットの世界をより身近に感じていただけるようになりました。
instaxシリーズで初めてデジタルイメージセンサーとデジタル画像処理技術を搭載し、写真画質の大幅な向上およびプリント出力前の画像編集・加工を実現したハイブリッドインスタントカメラ「instax SQUARE SQ10」発売。
若い世代から写真愛好家まで幅広い層に親しまれているスクエアフォーマットフィルムも新たに採用しました。
フジフイルム スクエアの活動が、企業メセナ協議会*1が主催するメセナアワード2018優秀賞「瞬間の芸術賞」を受賞。
長年にわたり、写真作品を発表、鑑賞する場を提供し、人と人の心がつながる感動体験を広め、写真文化の普及と発展に貢献していること、時代を超える価値を持つ貴重な作品の展示機会を作り、記録性や芸術性という写真の本質を、時代に合った内容で発信し、写真を文化財として継承・育成する可能性を追求し続けていることを評価いただきました。
instaxブランドプロモーション「don't just take, give」開始。
instaxは2019年から「don’t just take, give(とるだけじゃない、あげたいから)」という世界共通のキャッチコピーで、チェキプリントならではの価値を伝える活動を展開。大切な瞬間をその場でプリントにして残せるだけでなく、想いを伝えられる新しいコミュニケーションツールとして、また自己表現ツールとして世界中で楽しまれています。
1億2百万画素のラージフォーマットセンサーを搭載した、ミラーレスデジタルカメラ「FUJIFILM GFX100」を発売。高速・高精度AF、ボディ内手ブレ補正、4K動画撮影が可能で、「二度と戻らない貴重な瞬間を後世に残す」という写真本来の大切な使命を果たすことができる革新的ミラーレスデジタルカメラです。
“チェキ” instaxシリーズの最上位機種である、ハイブリッドインスタントカメラ “チェキ” 「instax mini Evo」を発売。カメラ背面のLCDモニターを見ながら撮影して、好きな画像を選んでプリントできるほか、搭載された多彩なエフェクトを自在に組み合わせることで「100通りの撮影エフェクト」を実現し、情景を感じたままに表現することが可能です。