富士フイルムグループでは、事業会社である富士フイルムと富士フイルムビジネスイノベーションで製造する製品が大きく異なり、生産や調達の状況、また取引先におけるリスクも多様化しています。しかし、事業内容にかかわらず、特に当社グループの製品製造に携わるお取引先に、「調達方針」や「お取引先へのお願い」などを通じて、当社グループの調達理念をご理解いただき、CSR経営に向け、ともに課題解決に取り組むことは大変重要と考え、それぞれの事業特性を考慮しながら活動を進めてきました。
海外生産比率が90%と高く、早くからCSRへの取り組み要請が強かった電子電機業界に属する富士フイルムビジネスイノベーションでは、2007年からグループの中でも重点的にCSR調達の活動を開始。お取引先の企業にとってもメリットがあるように、(1)電子電機業界の企業の多くが属する、RBAで要求されている国際的なCSR調達の管理基準を採用、(2)富士フイルムビジネスイノベーションやその主要生産拠点であるFUJIFILM Manufacturing Shenzhen Corp.が持つノウハウを提供、(3)管理ツールの制作・提供、の3つを実施。管理ツールの活用によって、調達先企業は自社で確認、改善計画を策定できるようになり、毎年PDCAを回すことで、着実に改善を進めることが可能になりました。富士フイルムビジネスイノベーションでは「CSRセルフチェックリスト」の最重要項目について、すべての調達先企業に90%以上の適合を満たすことを求めており、現在は9割前後の高い水準を維持、FUJIFILM Manufacturing Shenzhen Corp.では2015年度より連続で調達先企業のCSRリスク起因のラインストップは発生していません。一方富士フイルムも、従来の化学物質管理に関するお取引先との連携に加え、2009年から一部のお取引先にCSR視点での自己評価を開始し、その後、各事業部の調達金額の80%をカバーするお取引先へと対象を順次拡大してきました。2018年度は、グループ全体として取り組みを強化・深化させていくため、富士フイルムビジネスイノベーションでのこれまでの活動成果を横展開し、富士フイルムの生産子会社でも同様の取り組みを開始しました。第一弾の重点拠点として、近年顧客から調達先企業のCSR管理要請が高まりつつあったデジタルカメラやインスタントフォトシステム、医療機器を製造する富士フイルムの生産拠点、蘇州富士膠片映像機器有限公司を選定、中国での監査、改善支援にノウハウを持つFUJIFILM Manufacturing Shenzhen Corp.の協力を得て活動を開始しています。今後もグループ全体でノウハウを共有することで、サプライチェーン全体のCSR管理を強化していきます。
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CSR調達活動に関するより詳細な情報、および紛争鉱物、人権、生物多様性についての2021年度の取り組みは、サステナビリティレポートに掲載しています。
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統合報告書2019 特集記事「グループシナジーで持続可能な調達を推進」もご覧ください。
富士フイルムグループのCSR調達推進プログラム
![[図]富士フイルムグループのCSR調達推進プログラム](https://asset.fujifilm.com/holdings/files/2020-01/43098e92f4f161b32f638823dbdb2878/sustainability_activity_supply-chai_csr-procurement_fig_01.jpg)