CSR活動報告│サプライチェーン

サプライチェーンマネジメント

基本的な考え方

富士フイルムグループは、「ヘルスケア」「エレクトロニクス」「ビジネスイノベーション」「イメージング」の4つの領域で事業活動を展開し、これらの多岐にわたる事業のバリューチェーンを通じて、社会課題解決への貢献に取り組んでいます。グローバル企業として多くの原料や資材を調達し、製造過程を経て、世界中のお客さまに幅広い製品をお届けしており、当社グループが製造する製品の品質や安全性の確保はもちろんのこと、その原材料や生産のための資材などの調達ルートであるサプライチェーンの状況についても、適切に管理する責任があると考えています。特に、近年の社会要請に鑑み、調達先を含めた当社グループのサプライチェーン全体で、労働者の人権・安全面も含めた労働環境、また地球環境や倫理面に配慮したサステナビリティ(持続可能性)視点での調達活動(サステナブル調達活動)を推進しています。

富士フイルムグループは、こうした取り組みを通じ、調達先との相互理解と信頼関係に根差したパートナーシップのもと、ともに事業リスクを低減しながら、競争力・企業価値を高め、より強いサプライチェーンを構築していくことを目指しています。

調達における方針と体系

富士フイルムグループのサステナブル調達に関わる主な方針・規範の体系は次のとおりです。

富士フイルムグループ企業行動憲章・行動規範の下に富士フイルムグループのCSRの考え方と人権声明、その下に調達方針、お取引先へのお願いなどがあるという体系となっている。

富士フイルムグループの調達の概要

富士フイルムグループは、化学品、高機能材料、医療・精密・光学・オフィス機器など幅広い分野の製品を製造しています。主な生産拠点は日本、米国、中国、オランダおよびベトナムに所在しています。調達品目は市況品、化学品、機器部品、包装材などと多岐にわたります。富士フイルムグループは、生産資材の調達において、グローバルで約5,000社の一次調達先と取引をしています。また、調達先ごとの調達金額・取引量、調達先や取引する商材の代替可能性、取引の継続性などの要素を考慮し、当社グループの競争力や事業継続に大きな影響を与える「重要な調達先(クリティカル・サプライヤー)」を約1,500社(一次調達先の約30%)特定しています。地域別の調達額比率としては、日本45%、中国25%、米州8%、欧州8%、アジアその他地域14%となっています。富士フイルムグループでは、現地からの調達を推進しており、主要な生産拠点における現地調達比率は日本で79%、中国で82%、アジアその他地域で53%となっています(2024年3月末時点)。

生産資材の調達額地域別比率

生産資材の一次調達先数の地域別比率

主要な生産拠点における現地調達比率

富士フイルムグループは、より良い製品を製造し適正な価格で提供するために、すべての事業において生産と調達のプロセスの最適化を追求しています。具体的な調達戦略として、サステナビリティ(サプライチェーンの持続可能性)の観点を重視した上で、以下3点について継続的に改善しながら調達活動を推進しています。
(1)品質(Quality)
(2)原価低減(Cost)
(3)安定調達(Delivery)

富士フイルムグループは事業や扱う製品が多く、調達先の地域特性もさまざまであることから、調達におけるサステナビリティのリスクも多様です。加えて、各事業を取り巻く環境も変化している上、社会からのCSRに関する要請も高まってきています。

富士フイルムグループは、こうした状況を踏まえながら、調達先の選定や定期評価の中にCSR要請の観点を含めるなど、サステナビリティに配慮した調達に取り組んでいます。一般的に見て、特に日本を除くアジア各国では労働争議の発生頻度が比較的高いうえ、近年は国際世論を背景にした急激な環境規制強化などもあり、工場の操業停止リスクが高いと考えられています。そのため富士フイルムグループでは、特に中国を含むアジア地域に重点をおいたサステナブル調達活動に注力しています。

また富士フイルムグループは、サステナブル調達の取り組みはリスクの側面だけではなく、ポジティブな側面でも重要だと考えています。例えば、サプライチェーンで働く人々の人権が尊重されることで、生産性やモラルが向上し、それが結果として良質な製品やサービスの提供、イノベーションの創出につながると考えています。そのため、調達先にもこうしたポジティブな影響を向上させる活動に取り組んでいただき、ともに発展することを目指しています。

推進体制

富士フイルムグループのサステナブル調達活動は、富士フイルムホールディングスの取締役・執行役員の監督のもと、富士フイルムホールディングスのESG推進部と調達&機器生産部が、富士フイルム・富士フイルムビジネスイノベーションと連携して活動方針・計画を策定しています。2021年度には、富士フイルムホールディングス 調達&機器生産部の中に「CSR調達推進グループ」(現「サステナブル調達グループ」)を新設し、グループ全体でのサステナブル調達のさらなる強化を進めています。なお、活動方針・計画のうち、経営に関わる重要事項は、社長を委員長とする富士フイルムホールディングス ESG委員会で承認、決定されています。

ESG委員会で承認、決定された事項はもちろん、富士フイルムホールディングスが策定した活動方針・計画については、グループ各社のESG推進部門・調達部門に展開され、各社で推進されています。

サステナブル調達活動

物流におけるサステナブル調達の取り組み

サプライチェーンにおける環境の取り組み

グループの生産拠点におけるサステナビリティの取り組み

責任ある鉱物調達への取り組み

お問い合わせ窓口

サプライチェーン全般に関する苦情・ご相談

富士フイルムグループでは、お取引先さまからのご相談や苦情などを含むサプライチェーンに関するご指摘について、「サステナビリティに関するお問い合わせ」ページにて受け付けています。

サプライチェーンにおける人権関連通報

富士フイルムグループは、2024年6月より一般社団法人ビジネスと人権対話救済機構(JaCER)*1に正会員として加盟しています。JaCERの通報フォームより、富士フイルムグループのサプライチェーンにおけるあらゆるステークホルダーを対象に、人権の侵害が疑われる案件に対する通報を受け付けています。

  • *1 JaCERは、非司法的な苦情処理プラットフォームである「対話救済プラットフォーム」を提供し、 専門的な立場から会員企業の苦情処理の支援・推進を目指す組織です。

サプライチェーンマネジメントに関わる活動

各事業会社の活動

サプライチェーン(富士フイルム)

サプライチェーンマネジメントの強化(富士フイルムビジネスイノベーション)