CSR活動報告

インドでの取り組み

-世界での結核終息に向けた取り組み-

年間の新規罹患者が全世界のおよそ4分の1を占めるなど、深刻な状況が続くインド。富士フイルムグループでは、広大なインド国内を巡回し、複数地域の住民に対して結核検診を行っています。

インドの基礎データ

  • 人口 : 14億756万人
  • 面積 : 328万7,469km2
  • 首都 : ニューデリー
  • * 外務省「インド基礎データ」から引用。(2023年3月時点)

結核に関するデータ

インドの結核罹患者数は全世界の罹患者の26%を占めており、結核対策は大きな課題となっています。

  • 年間罹患者数 : 約259万人
  • 人口10万人当たりの罹患者数 : 188人
  • * 世界保健機関(WHO)「Tuberculosis profile: India」から引用。(2023年3月時点)

多くの地方において、早期診断の重要性への理解や診断を行える施設が不足しているため、なかなか状況の改善が進んでいません。

富士フイルムグループの取り組み

当社の現地法人FUJIFILM India Private Limitedは、2025年までに結核を終息するというインド政府の計画を踏まえ、現地で結核検診を実施している州政府や医療機関、The UNION(国際結核肺疾患予防連合)、Stop TB Partnershipと連携し、2021年から当社の携帯型X線撮影装置による結核検診をインド各地で行っています。

2021年に実施した第1フェーズでは、車内にX線撮影室を備えた検診車でデリーやコルカタなど27都市を訪問。これまで結核検診の機会を十分に得られていなかった地域の人々約12,000人に対してX線検査を行いました。撮影画像の読影時には、AI技術を用いて開発された診断支援ソフトウェアの導入により、医師の診断をサポート。結核の疑いがあると診断された被検者については、その場で喀痰を採取し、現地の医療機関で検査を実施しました。その結果、第1フェーズを通じて125人が陽性と診断され、医療機関で治療を受けました。

実際の検診風景(左が検診の受付所。右のトラックの中でX線撮影を実施)

多くの住民が結核検診に並んでいる様子

検診車内での医師から説明

X線撮影の様子

2022年9月からの第2フェーズでは500万人以上の人々に結核検診の啓発活動を実施し、そのうち約3万人にX線検査を行うことを目指しています。携帯型X線撮影装置を搭載した車両3台がグジャラート州、ケララ州、アッサム州の中でも特に医療へのアクセスが困難な地域を中心に巡回し、結核検診を実施しています。例えばアッサムティーで有名なアッサム州では、紅茶農園の労働者を対象にした検診を行いました。

アッサム州の紅茶農園

携帯型X線撮影装置を搭載した車

結核検診の受付

農園近隣の施設でのX線撮影の様子

各国での取り組み