富士フイルムホールディングス

CSR活動報告

ガバナンス

オープン、フェア、クリアな企業風土の更なる浸透により、ガバナンス体制を改善・堅持する

2019年度の主な活動

  • 富士フイルムグループ企業行動憲章・行動規範、及び「環境方針」「調達方針」など関連方針を改定
  • 行動憲章・行動規範の改定に伴い、内容理解のため、全世界の従業員に対してeラーニングを実施
  • 富士フイルムグループ・国内ハラスメント意識調査を実施。結果をイントラネットで報告
  • 国内従業員向けにコンプライアンス研修を実施
  • 2018年度防災教育(eラーニング)資料をイントラネットに掲載
  • グループ組織の生協を通じて、従業員向け防災備蓄品斡旋販売実施

2018年度の主な活動

【目標】富士フイルムグループ一体となったガバナンス体制作りと業務管理プロセス強化
[写真]海外でのリスクマネージャー研修の様子

海外でのリスクマネージャー研修の様子

  • 取締役会審議の充実と経営の意思決定の透明性向上のため、社外取締役を4名に増員
  • 取締役会の任意の諮問機関として、社外取締役を委員長とする指名報酬委員会を設置
【目標】グローバル全社でのコンプライアンス意識向上とリスクマネジメントの強化
  • 富士フイルムグループの企業行動憲章・行動規範の改定

  • 2017年度コンプライアンス意識調査のフォロー調査実施⇒重大事案なし

  • 複数の海外地域統括本社において、リスクマネージャー研修の実施

  • 情報セキュリティ事案の報告システムをグローバルに導入

  • 大規模災害を想定した訓練及び防災教育の実施

【目標】公平で独立性のある監査の維持と監査レベルの向上
  • 財務データのトレンド、売上げ・経費・勤怠などのデータ分析、メールフォレンジックの仕組みを構築、国内監査から実践導入。監査の網羅性、客観性を向上

今後の活動&目標

  • 富士フイルムホールディングスを中心に事業会社である富士フイルム、富士フイルムビジネスイノベーションによるコンプライアンス活動の一体運営の強化、及び全従業員のより一層のコンプライアンス意識向上を目的とした施策の実行

  • 取締役会審議のさらなる充実と経営の意思決定の透明性向上

企業行動憲章・行動規範を改定

SDGs、人権、危機管理などを盛り込み、世界情勢の変化に対応

富士フイルムグループでは、企業とは事業活動を通じて社会に価値を提供し、その適正な対価を得ることで利益を上げていく存在であると同時に、社会の一員として持続可能な発展に尽くす存在であるべきと考えています。これまで以上に企業が社会に果たすべき役割、影響が大きくなっている昨今、こうした期待に応えるべく2017年にCSR計画「Sustainable Value Plan 2030(SVP2030)」を制定しました。さらに、変化する社会の要請に対し当社グループとして、また従業員一人ひとりがどのように行動すればいいのかを示すために、2019年4月に「企業行動憲章・行動規範」を改定しました。ポイントは、「イノベーションによる積極的な社会課題解決への貢献」を宣言したことです。様々な社会課題が山積する中、従業員一人ひとりが果たすべき役割に向き合い、SVP2030が目指す持続可能な社会の実現に向けてイノベーティブな挑戦を行っていくことをうたっています。さらに、「オープン、フェア、クリア」の姿勢で事業活動を行うこと、及び社会から信頼され必要とされ続ける企業であるためには、コンプライアンスが要となることを改めて明示し、全従業員に周知しました。

なお「企業行動憲章・行動規範」の理解促進のために、2019年5月以降、国内外の全グループ社員を対象に計24言語での教育を展開、浸透を図っています。

企業理念・ビジョンと企業行動憲章・行動規範の関係

ガバナンスの強化

監査組織の統合とITを活用した高度な監査手法の導入で監査力が向上

富士フイルムホールディングスは、2017年9月にグループ各社の監査組織を統合したグローバル監査部を設置し、連結子会社を直接監査する体制を構築しました。これにより、各社の情報の一元化、迅速な報告・対処、分散していた監査人材の有効利活用などが実現、3年間でグループ全300社の監査を一巡することが可能になりました。

さらに監査企画グループを設立し、ITを活用した新しい監査手法を導入しました。その一つの「メールフォレンジックシステム」は、一般的には非常時に外部機関に業務委託することが多く、通常の内部監査にはあまり使われていないものです。しかし当社では自社のAIなど社内の仕組みを活用し、独自のシステムを開発、より詳細な社内情報と組み合わせて解析することで正確さが向上。不正の兆候や問題点の発見が可能となるとともに、内製化によりコストセーブも実現しました。現在は日本の他に海外にもシステムの適用を開始し、今後さらに拡大展開していきます。

防災教育への取り組み

従業員一人ひとりの防災意識向上を目指した教育を実施

富士フイルムは、従業員一人ひとりの防災意識向上を目指し、様々な活動を行っています。2018年度には初めてeラーニングによる全社従業員を対象とした防災教育を実施しました。所要時間約15分程度で、Q&A形式の設問に答えながら「災害の基礎知識」や「家庭の備えの重要性」など、防災に関する知識を学べるようになっています。また、グループ内生協との連携により、従業員向けに防災備蓄品の斡旋も行っています。東日本大震災、熊本地震において被災した従業員の意見をもとに食料や飲料水、防災用品などを選定した「オリジナルセット」で、購入者には消費期限切れとなる6カ月前にお知らせのダイレクトメールが届く仕組みになっています。

従業員とその家族の安全や生活の安定が、会社の早期復興や事業継続にもつながると考え、今後もこうした防災への取り組みを継続的に推進していきます。

コンプライアンスとリスクマネジメント

富士フイルムグループ コンプライアンス&リスクマネジメント 推進体制
富士フイルムグループ コンプライアンス&リスクマネジメント推進体制

富士フイルムグループは社会情勢、事業内容の変化に伴い、企業行動憲章・行動規範を見直し、改定内容を従業員に周知しています。
2019年度4月には、近年の企業の社会的責任に対する考え方の変化等に伴い、よりグローバルな視点で改定を行い、各国の従業員がこれらを正確に理解できるよう、23言語に翻訳し、全24言語で周知しました。

富士フイルムグループでは、従業員へのコンプライアンス意識の浸透を目的として、2019年度より毎年グローバルで企業行動憲章・行動規範についての教育を実施し、併せてその内容につき「理解、順守、行動する」旨の順守宣言を全従業員に求めています。
またハラスメントや不祥事防止等、コンプライアンスやリスクに関する具体的かつ、身近な課題を職場の仲間と議論する「職場ディスカッション」を定期的に実施し、行動規範の内容が「自分ごと」となることを目指しています。
また、特定の階層・役割を対象とした教育を実施し、必要な知識が必要な人に必要な時に浸透することで、コンプライアンスの徹底を図っています。

対象 内容 目的
全従業員 企業行動憲章・行動規範とその順守宣言(グローバル) 企業行動憲章・行動規範の理解を深める。
行動規範の理解・順守・行動の宣言。
コンプライアンス全般(不正不祥事の防止、ハラスメント防止、内部通報等) 企業行動憲章・行動規範をベースとして、具体的なコンプライアンス順守の行動に結びつける。
情報セキュリティ 情報セキュリティのルールを正確に学び、機密情報の漏洩を防止。
新任者(新任役員、新任役職者、新入社員) コンプライアンス・リスクマネジメント全般 それぞれの階層、役割に沿ったコンプライアンスとリスクマネジメントの意識を植え付け、ふさわしい行動をとる。
各組織のコンプライアンス/リスクマネジメント責任者 リスクマネジメント全般
ハラスメント相談対応、情報セキュリティ等その時に応じたトピックス
グループ全体の方針に沿って、各組織のコンプライアンス/リスクマネジメント活動を推進、指導する。
強化先組織の役職者・従業員 不正不祥事の防止、職場ディスカッション、ハラスメント防止等強化ポイントに集中した内容 各組織の強化すべきポイントを集中して教育し、従業員の知識を深め、意識向上、改善を図る。
  • 2019年度4月に改訂した企業行動憲章・行動規範についての教育と順守宣言の要請をグローバルの従業員約8万人に実施し、2020年3月末までに99%の従業員が完了しました。
  • 2020年1月~2月に国内の全従業員約47,000人を対象に、各職場でリスクマネジメントの観点を含めたコンプライアンス研修、及び職場の潜在リスクと対策を話し合う職場ディスカッションを実施し、94%の従業員が参加しました。
  • 従来、国内のみで実施していた職場ディスカッションにつき、海外への展開を図るべく、不正不祥事の防止をテーマに第一弾として、米州の役職者層に実施しました。
  • 2019年4月に新入社員に対し、新社会人としての心構えを含めたコンプライアンス教育、1月に新任役職者に対し、役職者としてのコンプライアンスとリスク管理についての研修を実施しました。
  • 2019年9月、各組織のリスクマネジメント責任者に対し、グループのリスク重点課題や責任者としての心得、及び情報セキュリティをトピックスとして研修を実施しました。

富士フイルムグループでは、従業員のコンプライアンス意識の浸透度、理解度を確認し、行動規範の有効性をレビューするため、意識調査を定期的に実施しています。調査結果は、取締役会、ESG委員会、各社経営層へ報告するとともに、各組織と全従業員へもフィードバックして、各組織における教育や施策に反映し、コンプライアンス意識の維持・向上、違反の防止につなげています。

  • コンプライアンス意識調査(グローバル)隔年 目的:コンプライアンス意識全般の浸透度、理解度を確認
  • ハラスメント意識調査(国内)隔年 目的:ハラスメントについての理解度と実態を確認

富士フイルムグループでは、国内外において富士フイルムグループ全従業員が直接、富士フイルムホールディングスに通報可能な窓口(日本語、英語をはじめとする23言語対応)と、国内及び各地域本社に通報する窓口の2通りの内部通報制度を設置しています。
各通報制度は匿名での通報が可能であり、通報者が通報したことが原因で不利益を被らないよう、通報者保護を規定するとともに、制度については、ポスターやイントラネットなどで全従業員に周知し、利用について積極的に働きかけを行っています。
各通報・相談に対しては、各窓口で迅速・適切に対応し、問題解決につなげており、特に内部通報や内部監査などにより、行動規範違反懸念のある事案が発生したことが判明した際は、コンプライアンス部門が中心となり事実関係を捜査し、適切に対応しています。
一方、社外のステークホルダーに対しては、グループ全体として「CSRに関するお問い合わせ」窓口を設置し、問題事項を通報いただける体制を整えています。

通報・相談実績

  • 2019年度の通報・相談実績136件(国内112件、海外24件)
    通報・相談内容は、人間関係、人事労務、ハラスメントに関する内容が6割を占めており、それぞれ適切に対応されました。
    グループとして重大な事態につながる事案はありませんでした。
  • 2019年度において、社外に公表すべき重大な行動規範の違反はありませんでした。

富士フイルムグループでは、リスクマネジメント規程に基づき、リスク防止のための課題抽出とリスク事案発生時の対応を実施しています。
特に平時におけるリスク防止活動を強化しており、富士フイルムホールディングス配下の全社を対象に、グローバルベースで各社が抱えるリスクの抽出と、それに対するアクションプランの策定を毎年度、以下のプロセスで実施しています。

リスクの抽出とアクションプラン策定のプロセス
リスクの抽出とアクションプラン策定のプロセス
2019年度の重点リスク

下記以外のリスク課題については有価証券報告書を参照

リスク項目 選定理由 対応

個人情報管理

各国の規制強化の状況下、法令違反や情報漏洩事故の影響が大きいため、管理を強化

  • 社内ルールやリスク管理体制の整備
  • 各種コンプライアンス・情報セキュリティ・個人情報保護・リスク管理教育の再徹底

情報セキュリティ

製品、サービス、製造でのICT活用の拡大に伴い、従来の社内システムへの強化が必要

ヘルスケア事業のコンプライアンス(倫理・透明性の確保)

ヘルスケア事業は、社会及び各国の規制当局から、より高い倫理性、透明性、公正な事業活動が求められており、法令順守はもとより、社会的要請にも的確に応えていく必要がある

不正・不祥事撲滅

発生事案は減少傾向にあるが、海外を中心に管理強化と教育の継続展開が必要

労務管理

2019年4月の働き方改革法施行に伴い、勤怠の適正管理と長時間労働防止を徹底

ハラスメント行為

ハラスメントに対する社会的関心が高まる中、ハラスメント行為防止は必須の課題

クライシス発生時の対応

グループ各社で発生したクライシス案件に対しては、推進体制のもと、グループのリスクマネジメント規程で定めた手順に従い、各事業会社、及び富士フイルムホールディングスESG推進部に報告されるとともに、発生したリスクが拡大しないよう迅速に対応されています。
各事業会社は当該グループ会社における再発防止策の実行を監督し、グループ内における当該案件の横展開により、再発防止を徹底しています。
富士フイルムホールディングスのESG推進部は、各事業会社経由で報告された案件を、事務局としてESG委員会に報告するとともに、当該情報などをもとにグループ全体としてリスクマネジメントの強化、推進を図っています。ESG委員会へは、案件の概要だけでなく、重要案件については詳細な内容も含め報告されており、ESG委員会がそれらの情報を取締役会へ四半期ごとに報告することで、グループとしてリスクマネジメントの実効性を担保しています。

2019年度の状況

2019年度において、社外に公表すべき重大なクライシス案件はありませんでした。

富士フイルムグループでは、企業行動憲章・行動規範の中で、汚職行為には関与しないことはもちろん、調達先や取引先、また公務員や政府関係者との公正さ、癒着関係を疑われる行為はしないことなどを宣言しています。
また、国内外グループ各社で腐敗防止規程を導入し、比較的リスクが高いと思われる地域を中心に、実地監査も含め定期的な監査を実施しています。
腐敗防止規程では、不正な目的のために、または社会通念上相当性を欠く態様で、金銭その他の利益を提供や、その申込み、若しくは約束をしないことが定められており、同規程、及び腐敗防止ガイドラインでは、社会通念上相当な範囲での利益提供を行う場合の事前申請及び、承認手続きとその記録、最低年1回の自己監査と富士フイルムホールディングス内の事務局への自己監査実施報告、違反発生時の同事務局への報告等が定められ、各社で適切に運用されています。
さらに、代理店等の中間業者との関係についても、取引開始前の事前審査、契約書への腐敗行為禁止条項の折り込み、年1回の報告書の提出を実施しています。

2019年度の状況

  • グローバルで各社において自己監査を実施し、問題となる事案がないことを確認、その結果が富士フイルムホールディングスの事務局に報告されました。
  • 富士フイルムグループでは過去に腐敗・汚職による事件はなく、当局から腐敗行為で調査を受けた事例もありません。

富士フイルムグループでは、反トラスト法順守に力を入れて取り組んでおり、反トラスト法の基礎知識や行動基準、注意すべきポイントを記したマニュアルやガイドブックなどを策定し、従業員への定期的な教育を実施するとともに、年に一回の自己監査の仕組みを導入しています。
また下請法(日本法)に対しては、下請取引が多い部門の発注担当者に対し、定期的に講習会を実施するとともに、年1回実施される公正取引委員会または中小企業庁による調査に際し、各部門での下請法順守状況のチェックを実施しています。

2019年度の状況

  • 反トラスト法
    グローバル各社において、自己監査を実施し、違反行為がないことを確認しました。
    2003年以降、反トラスト法/反競争行為による罰金の支払いはなく、現在係争中の反トラスト訴訟もありません。
  • 下請法
    2019年度も当局からの書面調査により社内点検を実施し、重大な違反行為がないことを確認しました。
    また、10月の国内・消費税率引き上げを受けて、購買システムの整備及び取引先への消費税率変更対応を周知し、違反発生の防止を推進しています。
    下請法についても、2019年度に当局から違反を指摘された事案はありません。

富士フイルムグループでは、武器や軍事転用可能な貨物・技術が国際社会の安全を脅かす国家やテロリストなどに渡ることを防ぐため、富士フイルムグループ共通の基本方針である「安全保障輸出管理方針」を策定、法令を順守するのみならず、国際的な安全の維持に貢献することを宣言しています。また、その方針を反映した「富士フイルムグループ安全保障輸出管理規程」を定め、社長を最高責任者とした輸出管理体制のもと、法令に則した輸出管理を行っています。
輸出入管理の趣旨や目的を開設したeラーニング教材を公開し、必要な知識が必要な時に受けられるよう整備しています。
加えて、法令・ルール改正や具体的な輸出入管理方法などに関する説明会も定期的に開催し、従業員の理解を深めています。
さらに、各社各部門に対しては、毎年行う書面監査に加え、実地監査も行い、改善必要点がないか確認しています。

2019年度の状況
2019年度も書面監査と実地監査を行い、重大な違反行為がないことを確認しました。
なお富士フイルムグループでは、過去に輸出入管理に関して、当局から違反を指摘された事案はありません。

富士フイルムグループ 輸出管理体制
情報セキュリティ

1. 基本方針
富士フイルムグループでは、情報セキュリティを経営上の重点リスク課題の一つとして認識し、以下6項目につき、グループ全体の対応方針を「情報セキュリティ基本方針」として定めており、すべての従業員が共有しています。

2. 推進体制
富士フイルムグループでは、ESG関連業務領域を管掌する役員が情報セキュリティコーポレート統括責任者となり、グループ全体の情報セキュリティマネジメントの維持改善に関する役割を担っています。
グループ全体における情報セキュリティに関する戦略は、富士フイルムホールディングスの社長を委員長とするESG委員会にて、意思決定されるとともに、ESG委員会から取締役会にも定期的に報告されています。取締役会はグループ全体のコンプライアンスとリスクマネジメントを監督する責任を持っており、情報セキュリティと個人情報保護もその中の重要項目として、そのプロセスの有効性は担保されています。情報セキュリティと個人情報保護に関する取り組みはESG委員会で方針の決定がなされた後、情報セキュリティ統括部門である富士フイルムホールディングスのESG推進部門から、グループ各社に各種施策が展開され、各組織の情報セキュリティ管理責任者が各職場に徹底する仕組みになっています。

3. 情報セキュリティマネジメントの仕組み
富士フイルムグループでは、情報セキュリティの国際規格であるISO/IEC 27001に準拠した「グローバル情報セキュリティ規程」、及びグループの「情報セキュリティガイドライン」をもとに、日本、米州、欧州、東南アジア、中国の各地域統括会社を中心とした活動により、全世界均一のセキュリティレベルを確保しています。「情報セキュリティガイドライン」では、例えば情報漏えい防止のために、デバイス暗号化、アンチウィルス対策ソフトの導入、認証基盤の構築によるID管理とアクセス制御、メールのフィルタリングシステムなどを必須とするなど、グローバルの共通施策として具体的な管理方法を定め、各社がそのルールに則った管理を実施しています。

富士フイルムグループにおける情報セキュリティに関するルールの構造
富士フイルムグループにおける情報セキュリティに関するルールの構造

4. 取り組み概要

(1)情報セキュリティ教育・訓練の実施
情報セキュリティのレベルを高く維持していくためには、従業員一人ひとりが日々の情報を取り扱う際に必要とされる知識を身につけ、高い意識をもつことが重要です。富士フイルムグループでは、すべての従業員を対象に、情報セキュリティ及び個人情報保護について、eラーニングによる教育を毎年実施しています。
また、標的型攻撃メールなどのサイバー攻撃への教育として、実際に攻撃メールを装った模擬メールを従業員に送付し、受信体験を通してセキュリティ感度を高める「不審メール対応訓練」を2011年より実施しています。
また富士フイルムグループでは、就業規則に情報セキュリティの順守に関する項目を定め、違反した従業員には懲戒処分を科すとともに、他社事例を含めたヒヤリハット事例の共有を通じた注意喚起などを実施しており、情報セキュリティ事故を起こさないよう努めています。

(2)インシデント対応
万一の情報セキュリティ事故に備えて、事故被害拡大を抑制するため、富士フイルム、富士フイルムビジネスイノベーションそれぞれに情報セキュリティ・インシデント対応チームを設置しています。
サイバー攻撃発生時には対応手順に沿い、迅速かつ漏れのない対応を図る必要があるため、情報セキュリティ・インシデント対応チームとサービス商品などの現場部門との合同による、サイバー攻撃への対応訓練(机上訓練)を毎年定期的に実施しています。ここでは、実際の机上訓練実施手順やインシデント対応マニュアルを、訓練シナリオの実施を通じて改善していく活動を進めています。

机上訓練実施手順
机上訓練実施手順

(3)セキュリティ事故発生時のエスカレーションプロセス
富士フイルムグループでは、情報セキュリティ事故または疑わしい事象を発見した際のエスカレーションプロセスを定め、適切かつ迅速な事故対応を行い、被害や損失を最小限に抑えるよう努めています。

情報セキュリティ事故の報告手順
情報セキュリティ事故の報告手順

(4)外部のインシデント対応組織との連携
日々変化するサイバーセキュリティのリスクに対応していくためには、様々な組織のサイバーセキュリティ対応組織が互いに協力し合い、最新の脅威情報や脆弱性情報を共有するとともに、インシデント対応を図る上でのノウハウを交換、対応スキルを向上させていく必要があります。このため、国際的なサイバーセキュリティ対応チームのコミュニティーであるFIRSTや日本シーサート協議会に加盟し、外部との協力体制を構築するとともに、これらコミュニティーが運営する各種ワーキングループ活動への積極的な参加により、自社のみならず、ネットワーク社会全体の情報セキュリティの安全性向上に努めています。

(5)セキュリティ監査及び継続的な改善
お客様に当社のソリューションやサービスをご利用いただく際に、安心して情報資産を預けていただけるよう、情報セキュリティ事故の撲滅と、マネジメントの維持向上に努めています。
外部から攻撃を受ける可能性のあるウェブサーバーは、脆弱性テストを半年に1回実施し、必要な対応を実施しています。また、当社が提供する主要なサービスについて、外部セキュリティベンダーによるセキュリティアセスメントを実施するなどにより、客観的なセキュリティ評価も行っています。
リスク管理の視点からも毎年グループ全体で実施しているリスク抽出とアクションプラン策定の中で情報セキュリティについて確認しており、グループ全体としてリスクマネジメントの有効性を担保しています。このように、PDCAの改善サイクルを回しながら、継続的改善を進め、セキュリティレベルの向上につなげています。

5. 情報セキュリティに関する事故・違反
富士フイルムグループでは、過去5年間、情報セキュリティに関連し、第三者もしくは規制当局から指摘され、社外に公開すべきと判断した深刻な事案はありませんでした。

個人情報保護
  1. 基本方針
    富士フイルムグループでは、国内外の全従業員がいかに行動するかを定めた行動規範の中で、人権尊重の一項目として「個人情報保護」について定めています。この方針は、富士フイルムホールディングスのお取先へのお願いとして、調達先にも展開されており、富士フイルムグループとしてオペレーション全体に適用されています。また、富士フイルムグループで共通の内容を含む個人情報保護方針を各グループ会社で定めており、グループ共通の考え方で個人情報を取り扱っています。
  2. 推進体制
    富士フイルムグループでは、個人情報保護方針をもとに、「個人情報管理規程」で社内の管理方法を定め、ESG推進部長を管理統括者として個人情報保護体制の構築・維持にあたっています。
    グループ全体における個人情報に関する方針や目標は、富士フイルムホールディングスの社長を委員長とするESG委員会にて、意思決定されるとともに、ESG委員会から取締役会にも定期的に報告されています。取締役会はグループ全体のコンプライアンスとリスクマネジメントを監督する責任を持っており、個人情報保護もその中の重要項目として、そのプロセスの有効性は担保されています。個人情報保護に関する取り組みはESG委員会で方針の決定がなされた後、個人情報保護の統括部門である富士フイルムホールディングスのESG推進部門から、方針・目標を展開するとともに、その遂行や管理状況の調査・把握、規程内容の従業員への周知徹底、個人情報を取り扱う各組織長に対する指導・助言等を行っています。
    特に、社会での個人情報保護に関する意識向上に伴い、リスク管理の視点から個人情報保護については、毎年グループ全体で実施しているリスク抽出とアクションプラン策定の中で確認しており、グループ全体としてリスクマネジメントの体制を構築しています。
  3. 従業員教育
    富士フイルムグループでは、個人情報の取り扱いに関する事故・違反の発生防止には、日々の情報を扱う際に、従業員一人ひとりが必要とされる知識を身につけ、高い意識をもつことが重要だと考えています。そのため、すべての従業員を対象に、個人情報保護について、eラーニングによる教育を毎年実施しています。
    また、就業規則において、許可を得ない情報の持ち出しに違反した従業員には懲戒処分を科すことを定めるとともに、他社事例を含めたヒヤリハット事例の共有を通じた注意喚起などを実施しており、個人情報の保護に万全を期しています。
  4. 個人情報の適切な取り扱い
    富士フイルムグループでは、「個人情報保護方針」に基づき、個人情報の取り扱いに関する内部規則を定め、適切な安全管理策を施し、保有する個人情報の保護に努めています。年に一度は、部門ごとに保有している個人情報の棚卸を行い、安全管理措置の確認・是正や保有の必要がない個人情報の削除対応等を行っています。棚卸の実施状況については、コンプライアンス&リスク管理部が各組織の監査を実施しています。
  5. 個人情報の取り扱いに関する事故・違反
    2019年度は顧客の個人情報の取り扱いに関連し、第三者もしくは規制当局から指摘され、社外に公開すべきと判断した深刻な事案はありませんでした。
富士フイルムグループにおけるプライバシーマークとISMSの取得状況

2020年3月 

種類 取得済みの関係会社
Pマーク*1

富士フイルムメディカル 富士フイルムテクノサービス 富士フイルムイメージングプロテック
富士フイルムイメージングシステムズ 富士ゼロックスシステムサービス 富士フイルムメディアクレスト

ISMS*2

富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ
富士フイルムソフトウエア
富士フイルムイメージングシステムズ
富士フイルムイメージングプロテック
富士フイルムビジネスエキスパート
富士フイルム記録メディア事業部
富士フイルムメディカル

富士ゼロックス
富士ゼロックス国内販売会社37社
富士ゼロックスシステムサービス
富士ゼロックスプリンティングシステムズ
富士ゼロックスインターフィールド
富士ゼロックスマニュファクチュアリング
富士ゼロックスサービスクリエイティブ
富士ゼロックスサービスリンク
富士ゼロックス海外生産会社4社
富士ゼロックスアジアパシフィック
富士ゼロックス海外販売会社16社

  • *1 プライバシーマーク:(一財)日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)より、個人情報について適切な取り扱いが行われている企業に与えられるマーク
  • *2 ISMS:情報セキュリティマネジメントシステム。個人情報をはじめとする情報全般の管理体制に関する認証

富士フイルムグループでは、情報セキュリティ事故の発生事例を中心に「情報セキュリティ事例集」や「情報セキュリティNEWS」を作成し、社内のイントラに公開することにより、従業員の理解促進を図っています。
また、定期的にEラーニングを実施し、情報セキュリティ事故の事例を紹介しながら実施すべき未然防止策や、守るべき具体的な行動について周知を図っています。
さらに個人情報保護については、社内はもとより、外部委託先に対してもその取扱いに関する調査を行い、セキュリティ状況を確認しています。
富士フイルムグループの情報セキュリティの取り組み詳細については、以下、情報セキュリティ報告書をご覧ください。

気候変動による海水面の上昇や異常気象の発生など、世界的な環境変化に伴い自然災害発生のリスクが高まっています。そのため事業継続計画(BCP)においては、国内では東海・東南海・南海連動型地震(南海トラフ)、首都圏直下型、富士山噴火、集中豪雨、河川氾濫、海水面上昇のリスクにつき、広域災害時のグループ対応力のさらなる向上を課題とし、想定被害をもとに対応策を追加、強化しています。とくに近年、国内において増加している集中豪雨に対し、各地域における事前対策を強化するほか、アラートシステムを導入して早期の被害予測と対応を図っています。また米州、欧州、東南アジアなどの海外でも、各地域における自然災害(地震、竜巻、野火など)に対する事業継続計画及び従業員安全対策の強化を図っています。