富士フイルムホールディングス

CSR活動報告│その他の取り組み

社会貢献活動

基本的な考え方

富士フイルムグループは、事業活動を通じて社会に貢献するとともに、企業市民として地域社会とも積極的に交流を行い、社会の持続的発展に貢献する活動を行っています。事業の特性を生かし、文化財・美術品のアーカイブ化、伝統文書の複製と活用、新興国や災害現場への医療機器提供、写真を通じた支援など、富士フイルムグループならではの特徴的な活動を多く実施しているほか、教育支援活動、地域との共生を図る様々な活動も行っています。こうした活動を持続的に行うことは、富士フイルムグループの事業活動、そしてSVP2030の目標を達成する上での重要な基盤になっています。

継続的に実施している主な社会貢献活動

イギリス

FUJIFILM UK Ltd.(FLON)は、写真を通じてホームレスの人々が社会と繋がることを目的に、Café Artが主催するロンドンのホームレスの人々の写真展を支援しています。彼らに「写ルンです」を配り、「私のロンドン」をテーマに撮影してもらい、集まった写真から200枚以上を展示。この中から、審査員と5,000人を超える一般の人々の投票から選ばれた写真が2019年の「私のロンドン」カレンダーに掲載されます。このカレンダーは2013年以来、3万部以上が販売されており、その売り上げはホームレスの人々のための資金になっています。

トルコ

FUJIFILM Dis Ticaret A.S. (FFTR)は、学校用の図書館を設立しているOne Child One Hope Associationの活動に参加。FFTRのメンバーが約1,000冊の本を収集し、2018年11月に「一人の子供、一つの希望、一つの本、千の夢」プロジェクトの一環としてFFTRの名前で図書館が設立されました。この協会では、設立以来8年間で62の都市にある142の村の学校への支援を行い、何千人ものボランティアが参加しています。当日は関わったメンバーが学校を訪問し、子供たちと一緒に図書館を開設しました。

中国、ベトナム

富士フイルム労働組合は、1998年から中国・内モンゴル自治区ホルチン砂漠で緑化ボランティア活動「緑の協力隊」を行ってきました。2017年には、協働してきた富士フイルム(中国)投資有限公司の活動が根付いたことから、中国での活動は同社が主体となり、富士フイルム労働組合は新たにベトナム・カンザー地区でのマングローブ林の再生活動を開始しました。2018年も中国・ベトナムともに多くの参加者が集まり、緑化エリアが広がっています。こうした精神が引き継がれていくように、今後も実施していきます。

南アフリカ

7月18日は、南アフリカ共和国の元大統領であるネルソンマンデラ氏の誕生日を祝して、彼の67年間の政治生活にちなんで67分間の社会奉仕活動を世界中の人々に呼びかけるマンデラ・デイです。FUJIFILM South Africa (Pty) Ltd.はこの日、ラステンバーグのランケレニアン小学校を訪れ、467人の生徒全員とスタッフの写真を撮影・プリント、また教材用の大判プリントも作成し、非常に喜ばれました。生徒の多くは貧しい環境から自分の写真を撮ったことが一度もなく、今回の体験は子供たちに写真の楽しさを知ってもらう貴重な機会となりました。

フィリピン、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア

富士ゼロックスは、アジア・パシフィック地域の新興国における児童の教育格差是正を支援するための教材提供活動を2014年度にフィリピンで開始し、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシアへと活動を拡大し、これまでの支援児童数は約90,000人、活動に参加した従業員は延べ600人を超えました。教育格差が課題となっているベトナムでは、国際NGOセーブ・ザ・チルドレンと共に活動し、2018年度は辺境地域などの幼稚園や小学校の図書室に就学前児童向けの読み物や絵本7,500冊を提供し、3,000人が利用できる環境をつくりました。NGOや企業の皆様との連携を深めながら、プロジェクト全体で2023年までに10万人の児童の支援を目指します。

日本

富士ゼロックス京都は、社会貢献の一環として伝統文書の複製を通じた文化伝承活動を2008年から実施。今までに、250点以上の複製品を贈呈してきました。2018年は、豊臣政権の書状「前田玄以定書」や室町時代の作とされる成相寺所有の「成相寺参詣曼荼羅」などを複製。日本の伝統色の金、白、朱色に近づけるために、原本確認を何度も行ったほか、当社の開発者と知恵を絞って原本を忠実に再現しました。今後は複製品の再現性をさらに高め、贈呈した複製品により、貴重な文化財の活用・伝承に貢献していきます。

ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングは再生医療の普及を目指し、再生医療について理解を深めてもらうための様々なイベントを行っています。再生医療のまちづくりを推進する地元の蒲郡市では、毎年、小学生を対象とした体験講座や再生医療市民講座を開催しています。また2019年3月には、医のテーマパークをコンセプトとした市民向け博覧会「健康未来EXPO 2019」に参加し、小学生を対象としたワークショップを開催しました。(写真は蒲郡市で開催した体験講座「夢の医療を知ろう!」(左)、健康未来EXPO 2019で開催したワークショップ わくわく再生医療ラボ「細胞培養体験講座」(右))。

アメリカ

米国では心臓病による女性の死亡率が高いことから、北米の富士フイルムグループは長年にわたりアメリカ心臓協会(AHA)とカナダ心臓脳卒中財団を支援してきました。赤い色の服を着て心臓病の予防や検診を呼びかけるイベント「National Wear Red Day」の際は、FUJIFILM Holdings America Corporation(HLUS)の全国の従業員が赤い服を身に付けるとともに、17,000米ドルの寄付を集めました。さらに米国の富士フイルムマッチングファンドはカナダで6,500米ドル以上を集めています。

インドネシア

PT. FUJIFILM INDONESIA(FFID)は、ジャカルタの北に位置する108の島々からなるセリブ諸島で、マングローブ、海洋性動物、サンゴが生息するマングローブの植林プロジェクトに参加、100を超えるマングローブの苗木とサンゴを植えました。地元のダイバーによると、昨年のジャカルタの洪水の際に本土からの廃棄物がマングローブ林の一部を破壊しており、回復への地道な取り組みが重要になっています。FFIDはこうした活動を通して、インドネシアの多様な海洋生態系の回復と保全に貢献していきます。

エクアドル

FUJIFILM SonoSite,Inc. (FFSS)は、社会的条件、遠隔地、または資金不足のために医療用画像にアクセスできない地域に、FFSSの超音波システムを提供するグローバルヘルスプログラムを実施しています。エクアドル南部のアンデス山脈にあるクエンカは、これらの地域の1つです。60人以上の医療専門家からなる「Esperanza 2018」(Esperanzaはスペイン語で“希望”)のチームが携帯型超音波診断装置「SonoSite M-Turbo」を使用し、貧しい子供や大人の診断・治療を行いました。

富士フイルムグループ労働組合連合会の主催で、毎年、東日本大震災復興支援として防風林再生ボランティアを実施しています。2018年は福島県いわき市(四ッ倉海岸)を活動場所に、12組織・81名が参加。海岸沿いの防風林再生のために、除草作業や黒松の植林作業を行いました。

2019年3月、東京・原宿にある富士フイルムの直営写真店「FUJIFILM WONDER PHOTO SHOP」で、三陸アーカイブ減災センターが行っている、東日本大震災で持ち主がわからなくなった写真や物品を返却する「返却会」と、その活動の様子や陸前高田市の震災前のお祭りや風景などの写真140点以上を展示した「陸前高田市思い出の品 返却会 & 写真展」を開催しました。

富士フイルムホールディングスは、全国の富士フイルムグループ従業員を対象に、労使共催(富士フイルム生活協同組合後援)で毎年実施している東北・熊本の物産品を紹介・販売する「通信販売&一部商品の試食会」を実施しました。

富士フイルムグループ従業員の誰もが手軽に社会貢献できる仕組みとして、「富士フイルムホールディングス募金サイト」を2018年11月にオープンしました。国内外の大規模自然災害発生時に、復興支援のための寄付金をスピーディーに募るものです。北海道胆振東部地震 災害救援募金では1,402,000円が集まりました。

富士フイルムが創業以来一貫して大切に守って来た、きれいな水と空気や緑に代表される「自然保護」を対象に10億円の資金を拠出し、1983年に「公益信託富士フイルム・グリーンファンド(FGF)」を設立しました。自然保護をテーマとした民間企業による公益信託としては、日本で最初のもので、現在も多くの活動や研究に対して助成を行っています。

富士ゼロックスでは、自社の社会貢献活動が社会にどのようにインパクトを与えているのかを「見える化」する活動に取り組んでいます。

背景

富士ゼロックスは、2012年度に「コミュニケーションを本業とする富士ゼロックスらしい顔の見える社会貢献」の取り組みを強化することを決定。「将来世代の人材育成」「希少な文化や情報の伝承」の二つを全社の重点テーマに定め、社会貢献活動を積極的に推進しています。このような活動を通じて、SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)の目標「4:質の高い教育をみんなに」「11:住み続けられるまちづくりを」「17:パートナーシップで目標を達成しよう」の達成へ貢献していくことを目指しています。

目的

2016年度からは当社の社会貢献活動の社会的な意義や成果を客観的に把握して活動の改善につなげるために、「社会的インパクト評価」*1の取り組みを進めています。当社は、当該活動が社会や環境にどのような変化や効果を与えているのかを定量的/定性的に評価する手法を確立し、社会的インパクトを「見える化」することにより、評価結果をPDCAに活用し、さらにはステークホルダーに共有することで継続的に地域社会の課題解決や発展に貢献していきます。

活動内容

「新興国における教材提供プロジェクト」や「伝統文書の複製と活用」など当社の代表的な社会貢献活動の社会的インパクトを評価するために、ロジックモデルを策定し簡易評価を実施しました。

  • 「社会的インパクト評価ツールセット」*2 を用いたロジックモデルの作成

  • プログラム評価の考えに基づいたロジックモデルの作成と明治大学による監修
    自社評価に対する信頼性を補完するため、2017年度に明治大学プログラム評価研究所による監修を受けました。

  • 最新動向の把握と日本における社会的インパクト評価の普及啓発への貢献
    2017年度から「社会的インパクト評価イニシアチブ」*3 事例蓄積・活用ワーキンググループのコアメンバーとして参画しています。

新興国における教材提供プロジェクト

伝統文書の複製と活用

今後に向けて

今後もステークホルダーとの対話を大切にして、社会的インパクト評価結果に基づいて当社の社会貢献活動の改善に取り組み、地域社会の課題解決や発展にいっそう貢献することを目指します。また、富士フイルムグループとして本評価の活用を検討していきます。

  • *1:短期・長期の変化を含め、事業や活動の結果として生じた社会的・環境的な変化、便益、学びその他効果を定量的・定性的に把握し、事業や活動について価値判断を加えること。(Global Social Impact Investment Steering Group(GSG、旧G8社会的インパクト投資タスクフォース)の定義から)
  • *2:GSG作成の社会的事業評価のための解説書。
  • *3:2016年に発足した日本における社会的インパクト評価を推進する民間主導のプラットフォーム。

各事業会社の活動

写真救済プロジェクト(富士フイルム)

正倉院聖語蔵経巻アーカイブ(富士フイルム)

富士フイルム九州の取り組み(富士フイルム)

写真技術を生かした社会貢献(富士フイルム)

「みどりの小道」環境日記(富士フイルム)

聞き書き甲子園(富士フイルム)

植林ボランティア(富士フイルム)

従業員の社会参加を支える仕組み(富士ゼロックス)

主な社会貢献プログラムと取り組み(富士ゼロックス)

2018年度の活動実績と各国・地域の取り組み(富士ゼロックス)

災害リスクに強い社会づくり(富士ゼロックス)